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FTPサポートは終了へ ~フォーカス強調を改善した「Google Chrome 86」がベータ版に

“WebHID API”をはじめとする新機能を数多く搭載。「macOS Big Sur」ではVP9に対応

「Google Chrome 86」がベータ版に

 米Googleは9月3日(現地時間、以下同)、「Google Chrome 86」のベータ版に追加された新機能を発表した。「Chrome 86」ではフォーカスハイライトの改善や、「Chrome 85」から開始されるはずだった“WebHID API”のサポートなどが追加されている。

 マウスでテキストボックスをクリックし、フォーカスを移動させると黒い枠線が表示される。これはフォーカスリングと呼ばれるが、デザインとマッチしないなどの理由でこれをスタイルシートですべて無効化してしまう開発者は少なくない。しかし、これはマウスが使えず、キーボードで操作せざるを得ないユーザーからフォーカスのあるコントロールを知る手がかりを奪うことになる。

 こうしたアンチパターンに対処するために、「Chrome 86」では2つの改善が導入された。1つ目は:focus-visible 疑似クラスで、フォーカスリングを表示すべき場合にだけマッチする。つまり、キーボードでフォーカス移動している場合だけリングを表示し、フォーカス強調の必要性の薄いマウス操作の場合はリングを隠すといった処理を簡単に実現できる。

 2つ目は、強制的にフォーカスリングを表示するアクセシビリティオプションだ。これを有効化すれば、開発者がスタイルシートで無効化しても、青いフォーカスリングが薄く、一瞬だけ表示されるようになる。

強制的にフォーカスリングを表示するアクセシビリティオプション
開発者がスタイルシートで無効化しても、青いフォーカスリングが薄く、一瞬だけ表示される

 一方、“WebHID API”はWebブラウザーでヒューマンインターフェースデバイス(HID)を扱うためのAPIだ。HIDにはマウスやキーボードも含まれるが、そうしたメジャーな入力デバイスで“WebHID API”が必要になることはほとんどない。しかし、それ以外のあまり一般的でない入力デバイス(特殊なゲームパッドなど)を扱いたい場合には役立つだろう。このAPIは実験的な機能を試すための仕組み“Origin Trial”で提供され、2021年1月リリース予定の「Chrome 87」までテストされる。

 そのほかにも、“Native File System API”が“Origin Trial”を卒業し、既定で有効化される。「macOS Big Sur」でVP9フォーマットがサポートされるのも大きな変更点と言えるだろう。また、タブグルーピングやタブプレビュー、QRコード共有といった新機能がまだ安定版「Chrome」で利用できない場合は、既定で有効化されているベータ版を試してみてはいかがだろうか。

QRコード共有

 一方で、FTPのサポートが非推奨とされ、削除されるので注意。具体的なロードマップは以下の通りとなっている。

  • Chrome 86:プレリリースチャンネル(Canary/Beta)で無効化。Stableユーザーの1%でも実験的に無効化される。“--enable-ftp”または“ --enable-features=FtpProtocol”フラグのいずれかを「Chrome」を起動すれば有効化できる
  • Chrome 87:FTPサポートを既定で無効化するユーザーを50%に拡充
  • Chrome 88:FTPサポートは無効に

 「Google Chrome」ベータ版はWindows/Mac/Linux/Android/Chrome OSに対応するフリーソフトで、現在、同社のWebサイトからダウンロード可能。Windows版は64bit版を含むWindows 7/8/8.1/10で利用できる。