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グルーピング、タブプレビュー、QRコード共有 ~Google、「Chrome」のタブ強化を発表
コンパイラー最適化“PGO”による高速化も。「Chrome 85」から一部機能を皮切りに順次展開へ
2020年8月26日 08:45
米Googleは8月25日(現地時間)、「Google Chrome」のタブ機能に関する改善を発表した。タブの読み込みが早くなったほか、タブを整理したり見つけやすくする機能が導入されている。安定性を優先するため一部の機能は段階的に配信されるが、いずれはすべてのユーザーにいきわたるはずだ。
タブの読み込みを最大10%高速化
同日リリースされた「Chrome 85」では、コンパイラー最適化技術“PGO(Profile Guided Optimization)”によりタブの読み込みが高速化された。
一般的なコンパイラー最適化はコンパイルの際にソースコードを解析して実行の効率化を図るが、“PGO”はコンパイル済みのプログラムを動作させて頻繁に使われる機能を検出し、重点的にリソースを割り当てることで全体のパフォーマンスを引き上げる。
この最適化機能はWindows版の「Chrome 53」から採用されているが、「Microsoft Visual C++」(MSVC)コンパイラーによるものだった。今回の改善は「Clang」をベースになっており、Windows版だけでなくMac版「Chrome」でも恩恵を受けることができる。
また、長い間閲覧されていないバックグラウンドのタブを休止させ、閲覧中のタブにリソースを集中するタブスロットリング(Tab throttling)がベータ版に展開された。これは読み込みの早さだけでなく、バッテリーやメモリ消費の節約にもつながるという。
タブのグループ化
タブのグルーピングは「Chrome 83」からベータテストされている機能で、仕事や買い物などのトピックやタスク、優先度などに応じ複数のタブをラベルで視覚的に区別することが可能。ベータテストにおけるフィードバックを取り入れてタブグループの折り畳み・展開がサポートされており、当初よりも使いやすくなっている。
タブレットモードに対応したタッチフレンドリーなタブUI
さらに「Chrome OS」に搭載されているタッチ操作向けのタブインターフェイスが、デスクトップ版「Chrome」にも導入される。指でタッチしやすいようにタブが大きく表示され、その中にはタブの内容がわかりやすいようサムネイルが表示される。横フリックでタブリストをスクロールしたり、[+]ボタンのタップで新規タブを表示することも可能。不要なときは畳んでおける実用的な機能だ。
すでに開いているタブに切り替える
デスクトップ版「Chrome」ではアドレスバーの検索ですでに開いているタブがサジェストされるため、同じタブをいくつも開かずに済む。今回のリリースではAndroid向けにもこの機能が展開される予定。
マウスオーバーによるタブプレビュー
目的のタブを見つけるために、いくつもタブをクリックして切り替えたことはないだろうか。マウスオーバーによるタブプレビューはそうした不便を解決する新機能で、ベータ版「Chrome」でテストされる。
「Chrome」でPDFを記入・保存する
「Chrome 85」のPDF印刷機能はアクセシビリティが改善されるが、PDFフォームに入力・保存する機能も追加される予定だ。今後数週間以内に展開される。
URLの共有が簡単に
PCで閲覧しているページのURLをQRコードでスマホへ受け渡しできる機能がデスクトップ版「Chrome」に展開され、アドレスバーに新設されるQRコードアイコンから利用できるようになる。