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「Google Chrome 85」のPDF印刷は障害者に優しく ~タグ付きPDFを標準化

「Chrome Headless」でも利用可能

「Google Chrome」のPDF印刷

 米Googleは7月29日(現地時間)、「Google Chrome 85」以降のPDF印刷機能を強化し、自動でタグ付きのPDFを生成できるようになると発表した。「Chrome 85」は8月下旬にも安定版としてリリースされる予定。

 「Google Chrome」は閲覧ページを印刷する際、送信先を“PDF に保存”へセットすることでWebページをPDF化することができる。しかし、従来のPDF印刷機能は読み上げソフトなど、他のアプリで処理することを考慮しておらず、とくにアクセシビリティの点で問題があった。

 タグ付きPDFは見出し、リスト、表、段落、画像の説明といった文章の構造に関する情報をメタデータとして追加する。これにより、アクセシビリティツールによる扱いが容易になり、障害を抱えているユーザーに優しいドキュメントとなる。米国ではコンテンツをオンライン公開する際に誰にでも読めるようにすること(リハビリテーション法第508条への準拠)を求められることがあるが、これにも対応できるという。

 また、“--print-to-pdf”フラグと“--export-tagged-pdf”を組み合わせれば「Chrome Headless」(UIを伴わない「Chrome」)でも利用できるので、プログラムでPDF化を自動化することも可能だ。

 この機能を一足先に体験したい場合は、試験的機能のフラグ(chrome://flags/#export-tagged-pdf)を有効化すればよい。同社は今後も「Chrome」内蔵のPDFリーダーを改善し、タグ付きPDFの扱いを強化するとしている。

試験的機能のフラグを有効化すれば一足先に体験できる