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Microsoft、「Office」アプリがエラーで開けない問題をロールバックシステムで解決

「Windows 10 2004/20H2」に影響

同社のドキュメントページ

 米Microsoftは3月13日(現地時間)、「Microsoft Office」アプリを開く際に“cannot open or save any more documents because there is not enough available memory or disk space”(メモリまたはディスクスペースが十分でないためドキュメントを開いたり保存することができない)というエラーが発生する問題を解決したと発表した。2月末にリリースされたプレビューパッチ「KB4601382」が原因で発生していたようだ。

 この問題の影響が確認されているのは、以下の「Windows 10」バージョン。“Microsoft Store”から入手した「Office」アプリケーションがインストールされた環境でドキュメントを“保護ビュー”で開こうとした場合にのみ影響する。

  • Windows 10 バージョン 20H2
  • Windows 10 バージョン 2004

 同社によると、この問題は“KIR”(Known Issue Rollback)と呼ばれるロールバックシステムで解決されたとのこと。組織で集中管理されていない一般的な環境であれば、解決策が24時間以内に自動で適用される。

 ちなみにKIRは、セキュリティ以外で製品に重大なリグレッション(バージョンアップによって機能や性能がかえって低下すること)が発見された場合に、当該機能に絞って修正を以前のリリースの状態にすばやく戻す仕組みだ。「Windows 10」ではOSの不具合を修正する際、古いコードを残してオプションの変更で元に戻せるようにしており、不具合が見つかった場合は簡単にロールバックできるようになっているという。

「Windows 10」ではOSの不具合を修正する際、古いコードを残してオプションの変更で元に戻せるようになっている

 もともとユーザーモードのプロセス向けに設計されていた仕組みだが、「バージョン 2004」以降はカーネルモードでも利用できるよう、OSカーネルとブートローダーに対しても導入されている。