ニュース

「Visual Studio Code」の4月更新 ~タブ切り替えのターミナルをプレビュー提供

変数の値をインライン表示する機能や「KaTeX」を利用した数式表示にも対応

「Visual Studio Code」v1.56

 米Microsoftは5月5日(現地時間)、コードエディター「Visual Studio Code」の2021年4月アップデート(v1.56)を正式リリースした。今月は「ターミナルタブ」をはじめとするリードタイムの長い機能に取り組んでいるとのことで、比較的小規模なアップデートとなっている。

 まず、ワークベンチではホバーフィードバックが改善された。マウスカーソルをそれぞれのアクションのアイコン上へ移動させた際、アイコンに影が表示され、クリックするとアクションが実行されることを示してくれる。また、プログラミング言語を指定しないとそれに応じた支援機能が利用できないことに気付かない入門ユーザーのために、ヒントが表示されるようになった。これは上級者にとっては不要なため、簡単に無効化する手段も提供される。

 ターミナル関連では、プロファイルのサポートが強化。デフォルトのプロファイル設定をカスタムできるようになったほか、選択UI(ピッカー)のアップデート、新しいキーバインドの追加などが行われている。プレビュー版「Visual Studio Code Insiders」でテストされている「ターミナルタブ」は、複数のターミナルをタブで切り替えることが可能だ。

ターミナルのピッカーがアップデート。「ターミナルタブ」のプレビューテストも実施中(スクリーンショットは「Visual Studio Code Insiders」のもの)

 また、デバッグ関連でも多くの機能強化が施された。なかでも、変数の値をインラインで表示する機能がサポートされたのはうれしい改善点。すべての言語に対応しているわけではないので既定で無効化されていたが、この初期値が「auto」に変更されたため、言語ツールがこれに対応していれば自動で利用できるようになる。

Javaの変数の値をインラインで表示

 そのほかにも、ノートブックのMarkdownセルで「KaTeX」を利用した数式表示がサポートされた。「Windows Package Manager」(winget)への対応も改善されており、x86、x64、arm64向けのユーザーインストーラーとシステムインストーラーが1つのマニフェストに統合され、起動オプションでどれを導入するかを制御できるようになっている。

ノートブックのMarkdownセルで「KaTeX」を利用した数式表示がサポート

 「Visual Studio Code」は、Windows/macOS/Linuxで動作する高機能なコードエディター。JavaScript、TypeScript、Node.jsを組み込みでサポートし、強力なコーディング支援・デバッグ・統合ターミナル機能を提供するほか、言語サーバー対応の拡張機能を追加することで、幅広いプログラミング言語に対応できるのが特徴。現在、本ソフトの公式サイトから無償でダウンロードできる。すでに利用している場合は、自動更新機能を用いてアップデートすることも可能だ。

ソフトウェア情報

「Visual Studio Code」Windows向け安定版
【著作権者】
Microsoft Corporation
【対応OS】
64bit版を含むWindows 7/8/8.1/10
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.56(21/05/05)