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「Windows 10 バージョン 20H2」がすべてのユーザーに解放

既知の非互換性問題はおおむね解決、安心して更新できるバージョンに

Windows 10のリリースヘルスダッシュボードにおける告知

 米Microsoftは5月18日(現地時間、以下同)、「Windows 10 October 2020 Update(バージョン 20H2)」を広範な展開用に指定したと発表した。

 同社は機械学習(ML)技術を活用して展開中の「バージョン 20H2」で報告されている膨大なデータを解析し、アップグレードに関わるトラブルを早期に検出する仕組みを整えている。類似したハードウェア・ソフトウェア構成の環境で、同じトラブルが発生するのを未然に防止するためだ。既知の互換性問題が確認されると、それはすぐさまロールアウトプロセスに反映され、影響する環境には「バージョン 20H2」が配信されないようにブロック措置(セーフガード)がとられる。

 「バージョン 20H2」はリリースから半年以上が経ち、既知の非互換性問題はおおむね解決された。そのため、アップグレード配信の調整は基本的になくなり、「Windows Update」を手動でチェックする「シーカー」(Seeker)でなくても広範囲に提供されることになった。

 後継の「バージョン 21H1」もリリースされているが、まだ公開から日が浅く、アップグレードの際にトラブルが発生しないとは言い切れない。また、前述の配信調整も行われるため、実際に展開されるまでには少し時間がかかる場合がある。古いバージョンのWindows 10を利用している場合は、比較的安心して利用できる「バージョン 20H2」への更新を検討してもよいだろう。

 なお、「バージョン 20H2」のサポート期間は、Home/Pro版の場合で来年5月10日まで(リリース日から18カ月)。Enterprise/Education版の場合は、1年長い2023年5月9日までサポートされる予定だ(春リリースは18カ月、秋リリースは30カ月)。