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コマンド一発でアプリをセットアップ ~CUIのアプリ管理ツール「winget」がv1.0に
アプリ開発者が「winget」パッケージを作成するためのツール「winget-create」もリリース
2021年5月27日 13:14
米Microsoftは5月26日(現地時間)、アプリケーションパッケージのCUI管理ツール「Windows Package Manager」(winget)v1.0を発表した。昨年からプレビュー版がテストされてきたが、ようやく製品版のWindows 10でも利用できるようになった。
「Windows Package Manager」は、コマンドラインでアプリのインストール・アンインストール・アップデートを管理できるパッケージ管理ツール(パッケージマネージャー)。Linuxでいうとことろの「apt-get」や「DNF」、Macの「Homebrew」に相当するものだ。
リポジトリにアプリパッケージが登録されていれば、「winget install (アプリパッケージ名)」を実行するだけで、アプリのダウンロードからセットアップまでを自動で行えるのがメリットで、OSを初期化したあとの環境セットアップや、特定のアプリを複数の端末にまとめて導入したい場合などに役立つ。インストール済みのアプリをまとめて最新版へアップデートしたい場合も、「winget upgrade --all」とコマンドを実行するだけだ。
「winget 1.0」を利用するには、「Windows 10 バージョン 1809」以降が必要。「Microsoft Store」から「アプリ インストーラー」をインストールすると、「winget」コマンドが利用できるようになる。もし利用できない場合は、「GitHub」のリリースページからインストーラー(appxbundle形式)を入手してセットアップするとよい(ただし、「Microsoft Store」経由で「winget」のアップデートは行われない)。
現在のところ、「winget」で利用できるコマンドは以下の通り。
- install:指定したパッケージをインストール
- show:指定したパッケージの情報を表示
- source:ソース(パッケージの入手先)を管理。add、list、update、show、remove、reset、exportのサブコマンドが利用可能
- search:パッケージをキーワード検索
- list:インストールされているパッケージを一覧
- upgrade:指定したパッケージを更新(--allを付けるとすべてを更新)
- uninstall:指定したパッケージをアンインストール
- hash:指定したファイルのハッシュを計算
- validate:マニフェストファイルを検証
- settings:設定ファイルを開く
- features:実験機能の有効・無効を一覧
- export:インストールされているパッケージをエクスポート
- import:ファイルに含まれるパッケージをすべてインストール
パッケージソースは公式のリポジトリ(winget)のほかに「Microsoft Store」(msstore)が利用可能。設定ファイルを編集し実験機能「experimentalFeatures」を有効化するとソースに追加され、「Microsoft Store」に登録されている一部のアプリをコマンドで導入できるようになる。
アプリ開発者が「winget」パッケージを作成するには、併せて公開されたCUIツール「Windows Package Manager Manifest Creator」(winget-create、WingetCreateCLI.exe)が便利。このツールも「winget」で簡単にインストールできる(winget install wingetcreate)。