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Microsoft、パッケージ管理ツール「Windows Package Manager」をプレビューリリース

「SmartScreen」などの技術でリポジトリの信頼性を高める

「Windows Package Manager」

 米Microsoftは5月19日(現地時間)、開発者向けオンラインカンファレンス“Build 2020”で「Windows Package Manager」を発表した。当面のあいだ、プレビュー版として提供される。

 「Windows Package Manager」は、コマンドでアプリケーションをインストールできるようにするパッケージ管理ツール(パッケージマネージャー)。Linuxでいうとことろの「apt-get」や「DNF」、Macの「Homebrew」に相当するものだ。たとえば「PowerToys」をインストールした場合は、“winget install powertoys”と入力するだけでよい。“winget show”や“winget search”でリポジトリに登録されているアプリを調べることもできる。コマンドを入力するだけで必要な外部アプリやライブラリも一緒にインストール(依存性の解決)することが可能で、環境のセットアップを自動化したい場合などに役立つ。

 Windows環境のパッケージ管理ツールといえば、すでに「Chocolatey」や「Scoop」といったプロジェクトが存在し、それなりに普及している。また、同社自身もかつて「OneGet」などのパッケージマネージャーを手がけていた。

 にもかかわらず「Windows Package Manager」が新たに開発されたのは、リポジトリの含まれるアプリパッケージの信頼性を担保するためだ。「Chocolatey」などのプロジェクトでも不正なパッケージを取り除く努力が行われているが、それでも悪意のあるパッケージが紛れ込む危険は排除しきれない。その点、「Windows Package Manager」ではWebブラウザーでもお馴染みのセキュリティ機能「SmartScreen」やマニフェストの自動チェック、改竄防止のためのSHA256ハッシュチェックといった対策を講じることで信頼性を高めている。“Microsoft Store”のアプリインストールへの対応も計画されているようだ。

 「Windows Package Manager」はオープンソースで開発されており、ソースコードは“GitHub”でホストされている。OSが「Windows Insider Preview」ビルドであれば、すぐにテストが可能だ(まだ利用できない場合は、「アプリ インストーラー」をインストールする)。また、“winget-feedback@microsoft.com”に“Microsoft アカウント(MSA)を送信して「Windows Package Manager」のプレビュープログラムに招待してもらうこともできる。対応OSは「Windows 10 Fall バージョン 1709(Creators Update)」以降。

「アプリ インストーラー」