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「Adobe Acrobat」にApple M1ネイティブモード ~致命的な脆弱性も多数修正

v2021.007.20091へのアップデートを

「Adobe Acrobat Reader」v2021.007.20091

 米Adobeは9月14日(現地時間)、PDFソフト「Adobe Acrobat」「Adobe Acrobat Reader」の最新版をリリースした。新機能の追加や既存機能の改善、セキュリティ問題への対処などを含んだ計画的アップデートとなっている。

 今回のアップデートの目玉は、Apple M1チップがネイティブサポートされたことだ。初期状態では「Rosetta 2」トランスレーションで動作する仕組みになっているが、[環境設定]-[一般]画面でネイティブOSモードを有効化し、「Adobe Acrobat」もしくは「Adobe Acrobat Reader」を再起動させると、Apple Siliconでネイティブ動作するようになる。パフォーマンスとバッテリー持続時間の改善が期待できるだろう。

[環境設定]-[一般]画面でネイティブOSモードを有効化
「Adobe Acrobat Reader」がApple M1ネイティブモードで動作している

 そのほかにも、macOSでマルチモニター対応が強化された。「Catalina」「Big Sur」ではシステムのテーマ設定を検出して、「Acrobat」のテーマを切り替える機能も搭載されている。

 機能面では、「Adobe Sign」の強化がポイント。「Adobe Acrobat」が不連続ページの抽出に対応したほか、ホームビューでは並び替えやフィルタリングの強化や、メインメニューや右クリックメニューの見直しも図られている。ただし、なかには一部環境から段階的に提供されるものもある。すぐには利用できない場合もあるので注意したい。

 セキュリティ関連の修正は、CVE番号ベースで26件。任意コードの実行やメモリリークにつながる恐れのある致命的な欠陥も含まれており、最大深刻度は「Critical」。同社はセキュリティアップデートの適用優先度をすべての製品で「2」と定め、できるだけ早く以下の修正版へアップデートすることを推奨している。

  • 「Acrobat DC」(Continuous)v2021.007.20091(Windows/Mac)
  • 「Acrobat Reader DC」(Continuous)v2021.007.20091(Windows/Mac)
  • 「Acrobat 2020」(Classic 2020)v2020.004.30015(Windows/Mac)
  • 「Acrobat Reader 2020」(Classic 2020)v2020.004.30015(Windows/Mac)
  • 「Acrobat 2017」(Classic 2017)v2017.011.30202(Windows/Mac)
  • 「Acrobat Reader DC 2017」(Classic 2017)v2017.011.30202(Windows/Mac)

 「Acrobat DC」および「Acrobat Reader DC」はWindows/Macに対応しており、同社のWebサイトからダウンロード可能。すでにインストール済みの場合は、自動アップデート機能で最新版へ更新できる。