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Google、「Manifest V2」準拠のChrome拡張を段階的に廃止 ~2023年には利用不能に
セキュリティ・パフォーマンスに優れる「Manifest V3」へ一本化
2021年9月27日 16:35
米Googleは9月23日(現地時間)、「Google Chrome」拡張機能の古いマニフェスト仕様「Manifest V2」(MV2)の廃止スケジュールを発表した。「Google Chrome 88」で導入された後継バージョン「Manifest V3」(MV3)がMV2と同等の機能を持つようになれば、MV2も徐々にフェードアウトされていくことになる。
マニフェスト(Manifest)とは、拡張機能の名前やバージョン、必要とするパーミッション(権限)といった情報を記しておくファイル。拡張機能にはかならず含まれているものだが、最近になってこの仕様が「MV3」に改められた。変更は多岐にわたるが、重要な点は以下の4点だ。
- バックグラウンドページからサービスワーカーへ移行
- ネットワークリクエストの変更は宣言型の「NetRequest API」で処理されるように
- リモートでホストされたコードは許可されない。拡張機能はパッケージ内に含まれているJavaScriptのみを実行できる
- Promise(非同期処理)のサポート
近年取り入れたられた新しいWeb標準規格を拡張機能で活用できるようになり、パフォーマンスが向上したほか、これまで拡張機能任せでマルウェアや迷惑ソフトに悪用されがちであった重要な処理がWebブラウザーに移管され、セキュリティとプライバシー保護が強化された。また、ストアでの審査もシンプルになり、提出した拡張機能がユーザーに届けられるまでのタイムラグが短くなるほか、不審な拡張機能が減り、ユーザーが安心して拡張機能を利用できるようになる。一方で、広告ブロッカーをはじめとする一部の拡張機能は開発が難しくなるとして一部デベロッパーやユーザーから反発を招く一幕もあった。
ともあれ、「MV3」の導入が実現したことで、古い「MV2」は廃止されることになった。廃止スケジュールは以下のように来年1月から1年半をかけて段階的に進められる。
- 2022年1月17日:「Chrome ウェブストア」で可視性が「Public」または「Unlisted」に設定されたMV2拡張機能の新規受付が停止。既存のMV2拡張機能は「Private」から「Public」または「Unlisted」に変更できなくなる
- 2022年6月:「Chrome ウェブストア」で可視性が「Private」に設定された新しいMV2拡張機能の受け付けが停止
- 2023年1月:「Chrome ウェブストア」で既存のMV2拡張機能のアップデートの受付を停止。「Chrome」でMV2拡張機能が実行されなくなるが、エンタープライズ環境ではポリシーにより許可できる
- 2023年6月:エンタープライズポリシーを使用しても「Chrome」でMV2拡張機能が利用不能に