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「Google Chrome 97」が正式版に ~「Critical」1件を含む37件の脆弱性に対処

デベロッパーツールにはユーザーフローを記録・再生・分析するツールや設定の同期機能が追加

「Google Chrome」v97.0.4692.71

 米Googleは1月4日(現地時間)、デスクトップ向け「Google Chrome」の最新安定(Stable)版v97.0.4692.71を公開した。メジャーバージョンアップとなる「Chrome 97」では、以下の新機能が導入されている。

  • details要素の自動展開:閉じられたdetails要素に対する検索やリンクができるように
  • 専用ワーカーがContent Security Policyの影響を受けるように
  • CSSの強化:font-synthesis プロパティ、transform: perspective(none)
  • Feature Policyの許可リストで新たにkeyboard-map値をサポート
  • HTMLScriptElement.supports()メソッド:script要素がサポートする機能を検出できる統一的な仕組みを提供
  • フォームエントリーの改行がGeckoやWebKitと同じように正規化されるように
  • 既存のClient Hint名の標準化
  • WebTransportのサポート
  • JavaScriptの強化:ArrayとTypedArrayがfindLast()とfileLastIndex()静的メソッドをサポート

 また、開発者向けの機能としてデベロッパーツールに「Recorder」パネルがプレビュー版として追加された。ユーザーの行った処理の流れを記録・再生することが可能で、その間のブラウザーパフォーマンスの測定も行える。

デベロッパーツールに「Recorder」パネルがプレビュー版として追加

 そのほかにも、画面サイズをシミュレートできるデバイスを拡充。[Edit as HTML]コマンドでオートコンプリートとシンタックスハイライトがサポートされた。プロファイル同期を有効にしている場合に、開発者ツールの設定を他の端末と同期する機能も実験的に搭載されている。

[Edit as HTML]コマンドでオートコンプリートとシンタックスハイライトがサポート

 なお、本バージョンおける脆弱性の修正は全部で37件。このうちCVE番号が公表されているのは24件で、深刻度の内訳は「Critical」が1件、「High」が10件、「Medium」が10件、「Low」が3件となっている。また、内部監査やファジングで発見された不具合も修正されているとのこと。

 デスクトップ向け「Google Chrome」はWindows/Mac/Linuxに対応しており、現在、同社のWebサイトから無償でダウンロード可能。Windows版は、64bit版を含むWindows 7/8/8.1/10に対応する。すでにインストールされている場合は自動で更新されるが、設定画面(chrome://settings/help)から手動でアップデートすることもできる。