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Windows 10/11のリセットや遠隔消去でデータが残ってしまう問題 ~Microsoftが認める

「バージョン 20H2」以降に影響

同社のドキュメントページにおける案内

 米Microsoftは2月24日(現地時間)、Windowsデバイスをリセットもしくはリモートワイプ(遠隔消去)する際、[すべて削除する]オプションを選択してもデータが削除されず、残ってしまうケースがあることを認めた。この問題は先日ユーザーからの報告があり、海外を中心に話題になっていたものだ。

[この PC をリセット]ボタン。リセットや回復、リフレッシュと呼ばれることも。リモートワイプは組織で管理されているデバイスで、デバイスの盗難や紛失でデータが漏洩するのに防止するときに用いられる
[すべて削除する]オプション。これを選択すると、プライベートデータがすべて削除されるのが正しい動作

 Microsoftによると、この問題は「OneDrive」「OneDrive for Business」など、リパースデータ(NTFSなどにあるリパースポイント機能で管理されているデータ)を含むフォルダーを持つアプリで発生する可能性があるという。「OneDrive」に保存されていても、クラウドにしかデータがない(ローカルと同期されていない)場合は影響を受けない。

「OneDrive」で雲のアイコンがあるファイルは影響を受けない

 影響を受けるプラットフォームは以下の通り。クライアントOSのみで、サーバーOSは対象となっていない。

  • Windows 11 バージョン 21H2
  • Windows 10 バージョン 21H2
  • Windows 10 バージョン 21H1
  • Windows 10 バージョン 20H2

 同社は現在解決策を検討中で、詳細が決まり次第知らせるとしている。それまではWindowsをリセットする前に「OneDrive」からサインアウトするか、「Microsoft アカウント」のリンクを解除するという回避策を講ずるよう呼び掛けている。

「OneDrive」アプリの設定画面にアクセス
「Microsoft アカウント」のリンクを解除

 また、不要ファイルの除去機能「ストレージ センサー」で「Windows.old」フォルダーを削除することでも影響を軽減できるとのことで、その方法がサポートドキュメント「KB5012334」で案内されている。

「ストレージ センサー」で「Windows.old」フォルダーを削除することでも影響を軽減できる(スクリーンショットはプレビュー版Windows 11の場合)

 いずれにしてもリモートワイプの場合にこれらの回避策は利用できないため、Microsoftによる対応が待たれる。