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フリー&オープンソースのファイヤーウォールアプリ「Portmaster」がv1.0.0に

Windows/Linux対応

「Portmaster」v1.0.0

 フリーのアプリケーションファイアウォール「Portmaster」が、10月27日にv1.0.0へとアップデートされた。「GitHub」でホストされているオープンソースプロジェクトで、ライセンスは「AGPL-3.0」。現在、本ソフトの公式サイトからWindows/Linux版をダウンロードできる。

 「Portmaster」は、オーストリア生まれのファイヤーウォールアプリ。洗練されたGUIをもち、とくに難しい設定を行わなくても、自動でトラッカーやマルウェアの通信をブロックできるのが特徴だ。DNSクエリを保護する機能も備えており、選択した「DNS over TLS」(DoT)プロバイダーへ自動で再ルーティングできる。

洗練されたGUIをもち、とくに難しい設定を行わなくても、自動でトラッカーやマルウェアの通信をブロックできる

 また、設定の柔軟性に富む点も本ソフトの長所といえる。初期設定でプリセットされたルールを選択するだけで十分に機能するが、システムワイドに設定を調整したり、アプリごとに許可・ブロックを設定することも可能。たとえば、P2P接続を原則すべてブロックするが、特定のアプリだけ許可したり、特定の国に接続する場合だけブロックするといったルールを作成できる。

初回起動時の設定画面。広告・トラッキング、マルウェアなど、ブロックしたい通信をチョイスできる。よくわからなければ、初期設定でも十分に機能する
「Cloudflare」などの「DNS over TLS」(DoT)プロバイダーを選択
システムワイドに設定を調整したり、アプリごとに許可・ブロックを設定することも

 「Portmaster」v1.0.0では「サイドダッシュ」と呼ばれる概要リストが追加され、ネットワークを利用しているアプリの一覧や、その通信・ブロック状況が一目で確認できるようになった。システム全体の状況を把握したり、アプリの設定にアクセスするのも簡単だ。

「Portmaster」の状態を一目で把握できる「サイドダッシュ」。アプリごとに表示されているバーは、通信の数とそのブロック状況を示す

 なお、今後は安定性の向上に重点を置きながら開発を進め、大規模なリリースでは少なくとも1つの「ヒーロー機能」を含めるとのこと。モバイルへの対応も進めていくとしている。

 「Portmaster」は無償で利用できるが、開発を支援したい場合は「Supporter」サブスクリプション(月額3ユーロ)を購入することもできる。購読者には最新機能への早期アクセスや優先サポートが提供される。

「Portmaster」の料金体系。無償プランでも十分

 さらに、最上級の「Unlimited」プラン(月額9.90ユーロ)を購入すれば、「SPN」と呼ばれるセキュリティ機能が最大5台のデバイスで利用可能。これはVPNに似ているが、アプリケーションごとに身元を変えられる点(Multiple Identities)や、自動でジオブロックを解除できる点、特定のアプリやドメインを手軽に除外できる柔軟性の高さなどで優れるという。

最上級の「Unlimited」プランではVPNよりも強力で柔軟性に富むセキュリティ機能「SPN」でプライバシーを保てる

ソフトウェア情報

「Portmaster」Stableチャネル
【著作権者】
Safing ICS Technologies GmbH
【対応OS】
Windows/Linux(編集部にてWindows 11で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.0.0(22/10/27)