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Apple/WebKit主導のWebベンチマーク「MotionMark」の開発にBlink/Geckoチームが参加

2016年にグラフィックス性能を測定するため誕生

「WebKit」チームによるアナウンス

 米Appleは6月12日(現地時間)、Webブラウザーベンチマーク「MotionMark」をオープンガバナンスへ移行させると発表した。「WebKit」の開発チームだけでなく、「Blink」や「Gecko」のチームにも参画を呼びかけ、プロジェクトの維持・発展を図る。

 「MotionMark」は、Webブラウザーのグラフィックス性能を測定するため、Appleの「WebKit」チームが2016年に開発したベンチマークテスト。以来7年間、「Safari」だけでなく「Google Chrome」などのパフォーマンス測定でも積極的に活用されており、事実上、Webグラフィックスにおける業界標準のベンチマークとなっている。

Webブラウザーのグラフィックス性能を測定する「MotionMark」
「MotionMark」を実行する様子(1)
「MotionMark」を実行する様子(2)
「MotionMark」の結果画面

 新しい「MotionMark」のガバナンスポリシーでは「WebKit」に加え、「Blink」(Google)、「Gecko」(Mozilla)の3者が「GitHub」にイシューを提出して機能を提案できると定められている。イシューは軽重によって「Trivial change」(些細な変更)、「Non-trivial change」(重要な変更)、「Major change」(大規模な変更)の3つに分類され、「Non-trivial change」は少なくとも2者の、「Major change」は3者の承認が得られてはじめて受け入れられる。つまり、改善を広く募る一方で、特定のレンダリングエンジンに有利となる変更を排除する仕組みとなっているわけだ。

 同様のガバナンスモデルは、すでに「Speedometer」ベンチマークテストで採用されており、実績がある。今後の発展に期待したい。