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偽のMicrosoft公式ロゴつき警告表示で不正送金被害多数、消費者庁が注意喚起

「Windows Defender セキュリティ センター」等を騙り、遠隔操作可能な状態に誘導

「Microsoft」のロゴを用いた偽の警告表示による不正送金被害に対して、消費者庁が注意喚起

 消費者庁は9月28日、偽の警告表示に「Microsoft」のロゴを用いて信用させ、ウイルス駆除等を行なうなどと称して多額の金銭を支払わせる事業者に関する注意喚起を行なった。2021年2月19日に消費者庁が注意喚起・公表したものとほぼ同様の手口だが、新たにパソコンを遠隔操作してネットバンキング送金が行なわれる事例などが確認されている。

 本件の手口は、パソコンでWebサイトの閲覧などをしていると、「Microsoft」のロゴに併せて、「Windows Defender セキュリティ センター」や「検出された脅威:トロイの木馬スパイウェア」、「Windows サポートへのお問い合わせ:(電話番号)」等の偽の警告が表示されるとともに、ピーといった警告音や「コンピュータのロック解除をするにはすぐにサポートに連絡してください」などのアナウンスが流れるというもの。

具体的な手口の概要

  1. パソコンに表示される偽警告および警告音
  2. 電話でパソコンを遠隔操作できるように誘導
  3. 遠隔操作でパソコンが危険な状態であるかのように説明
  4. ウイルス駆除等のための費用として金銭の支払(ネットバンキング、前払式電子マネー)を要求
偽警告の例

 各地の消費生活センターなどには、驚いた消費者が表示された電話番号に電話をかけてしまい、「マイクロソフト」の社員などと名乗る者から「あなたのパソコンは危険です」といった説明がなされ、パソコンを遠隔操作されてインターネットバンキングを通じて、数万から数百万円単位での多額の送金等をしてしまったなどという相談が数多く寄せられているという。また一部報道では、2021年から2023年にかけて寄せられた相談において、その被害額は約4億5,000万円にも上るとしている。

 なお、事業者が消費者に名乗っていた名称等は下記の通り。ただし、実体は不明。当該事業者は、日本マイクロソフト(株)やその関係者とは全くの無関係であることは確認されている。

  • マイクロソフト
  • マイクロソフトサポート
  • マイクロソフトサポートチーム
  • マイクロソフトサポート担当
  • ウィンドウズのサポート
  • ジョン
  • リサ
偽社員証の例

 消費者庁は、これら偽警告や警告音等について、Webブラウザーの終了([Alt]+[F4]キー)やパソコンの再起動([Ctrl]+[Alt]+[Delete]キー)により、落ち着いて画面を消すことで対処してほしいと呼び掛けている。また必要に応じて、家族や知人をはじめ、独立行政法人情報処理推進機構情報セキュリティ安心相談窓口や消費者ホットライン、警察相談専用電話などに相談してほしいとしている。

消費者庁による注意喚起のパンフレット