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「Google Chrome 118」が正式公開 ~前版とは打って変わって内部的変更が中心

セキュリティ修正は20件。サイト分離の「Critical」な脆弱性に注意

「Google Chrome」v118.0.5993.70/.71がWindows環境に

 米Googleは10月10日(現地時間)、デスクトップ向け「Google Chrome」の安定(Stable)チャネルをアップデートした。Windows環境にはv118.0.5993.70/.71が、Mac/Linux環境にはv118.0.5993.70が順次展開される。

 「Chrome 117」における変更が大規模だったせいか、「Chrome 118」における変更は比較的少なく、内部的な変更が中心だ。たとえば、バージョンが2桁から3桁になることでWebサイトに不具合が生じるのを避けるためのフラグが削除されている。

 また、「セーフ ブラウジング保護」でいくつかの改善が行われているとのこと。マルウェアやフィッシングを検知したときに挿入される全画面警告のデザインがマイナーアップデートされたほか、一部のユーザーを対象に「Chrome」の設定ページと「プライバシー ガイド」のテキストと画像をアップデートするテストが実施される。

画面警告のデザインがマイナーアップデート
「セーフ ブラウジング保護」の設定ページ
ステップバイステップでセキュリティ設定を見直せる「プライバシー ガイド」画面

 そのほかにも、「chrome://policy/test」画面が新設。Beta、Dev、Canaryの各チャネルに導入されたテストポリシーを効率的に管理できるようになる。

「chrome://policy/test」画面

 なお、セキュリティ関連の修正は全20件。そのうちCVE番号が公開されている脆弱性は14件で、深刻度の内訳は「Critical」が1件、「Medium」が8件、「Low」が5件となっている。

 深刻度「Critical」と評価されている「CVE-2023-521」は、サイト分離(Site Isolation)と呼ばれるセキュリティ機構で発見された解放後メモリ利用(Use after free)の問題だ。悪用の報告はまだないようだが、できるだけ早い対処が望ましい。また、内部監査やファジングで発見された不具合も修正されているとのこと。

 デスクトップ向け「Google Chrome」はWindows/Mac/Linuxに対応しており、現在、同社のWebサイトから無償でダウンロード可能。すでにインストールされている場合は自動で更新されるが、設定画面(chrome://settings/help)にアクセスすれば手動でアップデートすることもできる。