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AI超解像で古いビデオがキレイに復元できる「VLC media player 3.0.19」が公開、ゼロデイ脆弱性の修正も

AV1ビデオのハードウェアデコーディングも有効化

「VLC media player 3.0.19」

 仏VideoLAN Projectは、「VLC media player 3.0.19」を正式公開した。2022年11月以来、約1年ぶりのアップデートとなる。

 「VLC media player 3.0.19」ではAV1ビデオのハードウェア(GPU)デコーディングが有効化されたほか、「SuperResolution Scaling」(超解像スケーリング)がサポートされる。

 これは最先端のAI画像処理とGPUを組み合わせて低解像度ビデオをGPUでアップスケール(拡大)できる技術で、古いビデオを鮮明に再生することが可能。今年4月からNVIDIAの「GeForce RTX 30/40」シリーズで利用できるテスト版が提供されていたが、リリースノートによると正式版ではIntelのGPUにも対応するようだ。

 そのほかにも、コーデックのアップデートや多くの不具合修正が行われている。セキュリティ関連の主な修正は、以下の通り(括弧内は「CVSS 3.x」の評価値)。

  • CVE-2022-37434:「zlib」のヒープバッファーオーバーフロー(9.8、Critical)
  • CVE-2023-5217:「libvpx」のヒープバッファーオーバーフロー(8.8、High)

 とくに「CVE-2023-5217」は「Google Chrome」などで攻撃が確認されており、警戒が必要だ。

 デスクトップ版「VLC media player」は、オープンソースで開発されているマルチプラットフォーム対応のメディアプレイヤー。わざわざ追加のコーデックを導入しなくても、幅広いファイルフォーマットに対応しているのが魅力だ。対応OSはWindows/Mac/Linuxなどで、現在「videolan.org」から無償でダウンロード可能(寄付歓迎)。Windowsデスクトップ向けは窓の杜ライブラリからも入手できる。

ソフトウェア情報

「VLC media player」Windows デスクトップ版
【著作権者】
the VideoLAN Team
【対応OS】
64bit版を含むWindows XPから11
【ソフト種別】
フリーソフト(寄付歓迎)
【バージョン】
3.0.19(23/10/12)