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今年初めての「Windows 11 Insider Preview」、各チャネルで一斉リリース

Canary/Devチャネルで「音声アクセス」や「Microsoft Store」などが改善

Microsoft、今年初めての「Windows 11 Insider Preview」を各チャネルで一斉リリース

 米Microsoftは1月3日(現地時間)、「Windows 11 Insider Preview」の各チャネルをアップデートした。今年初めてのリリースで、執筆時現在、以下のバージョンが利用可能。

Build 26020(Canary Channel)

 「Windows Insider Preview Program」には複数の開発チャネルがあるが、なかでもCanary版は「出来立てほやほや」(hot off the presses)のもっともアグレッシブな開発が行われているチャネルだ。ドキュメントがそろっていなかったり、安定性に問題がある場合があるので注意したい。

 Build 26020では、声でOSを操作できるアクセシビリティ機能「音声アクセス」の対応言語を拡充。フランス語、ドイツ語、スペイン語が新たにサポートされた(日本語は未対応)。

「音声アクセス」の対応言語を拡充

 また、従来はプライマリーディスプレイでしか利用できなかった番号オーバーレイやグリッドオーバーレイ(デスクトップを分割して場所を指定する機能)といった機能が、マルチモニター環境で利用できるようになったのも大きな改善。

 グリッドオーバーレイをアルファベットで指定する場合は、NATOのフォネティックコードも利用可能。たとえば「A」であれば「アルファ」、「B」であれば「ブラボー」、「C」であれば「チャーリー」と表現することで、聞き間違いを減らすことができる。カスタムショートカットを作成する機能なども新たに追加されており、複数のコマンドを組み合わせたカスタムショートカットも作成可能。

グリッドオーバーレイなどもマルチモニター環境で利用できるように
複数のコマンドを組み合わせたカスタムショートカットも作成可能

 「Microsoft Store」アプリもアップデートされており、一部のゲームをダウンロードせずにプレイできる「Instant Arcade」が展開中。アプリのインストール完了時に通知を表示することも可能になっている。

 そのほかにも、UI読み上げツール「ナレーター」のナチュラルボイス(自然な声)をプレビューする機能が拡充。日本語を含む10のロケールが新たにサポートされた。音声モデルを選ぶ際に、実際の発音を試聴できる。

 ナチュラルボイスは、一度インターネット経由で音声モデルをダウンロードしさえすれば、オフラインでも自然な読み上げを行えるのが特徴。ただし、試聴の際はインターネット接続が必要だ。

 バッテリーセーバーがONになっていることを示すタスクトレイアイコン、プリンターの印刷キューで印刷ジョブを一時停止・再開する機能、Windows共有・近接共有の改善などもロールアウトされる。

バッテリーセーバーがONになっていることを示すタスクトレイアイコン

Build 23612(Dev Channel)

 DevチャネルはCanaryチャネルよりも安定したバージョン。どのチャネルを使うか迷ったときは、このチャネルを選ぶのがおすすめだ。

 Build 23612ではロック画面のデザインがアップデートされ、天気が表示されるようになった。マウスカーソルを合わせるとより詳細な気象情報が表示されるほか、タップまたはクリックで「Microsoft Edge」が立ち上がり、同社の天気サイトに誘導される。

ロック画面のデザインがアップデートされ、天気が表示されるように

 この機能は既定で有効化されるが、不要であれば無効化することも可能。

 そのほかにも、Canaryチャネルで案内された「音声アクセス」の改善、「Microsoft Store」の更新などが含まれている。

Build 22635.2921(Beta Channel)

 Betaチャネルは、もっとも製品ビルドに近いバージョン。基本的に「Windows 11 Insider Preview」でテストされる新機能や改善は製品版に導入されるとは限らないが、このチャネルに含まれているものに関しては、大きな問題がなければそのまま製品版にも反映されるのが通例だ。

 本ビルドではOSの全体的な信頼性向上、テキスト入力を阻害していた「tabtip.exe」のクラッシュへの対策などが含まれている。