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Microsoftのコーディングフォント「Cascadia Code」が3年ぶりのメジャー更新

ターミナルアプリのカラフル描画に適したグリフ、アプリやWebサービスのアイコンも

「Cascadia Code」v2404.23

 米Microsoftは4月30日(現地時間)、オープンソースで開発されているコーディング向けフォント「Cascadia Code」の最新版v2404.23を公開した。2021年11月以来のメジャーバージョンアップとなる。

 「Cascadia Code」は、ターミナルアプリケーションや「Visual Studio」「Visual Studio Code」といった統合開発環境・コードエディターでの利用を想定して開発された等幅フォント。コーディング時の視認性はもちろん、合字(リガチャ)をうまく活用しており、たとえば「<」と「=」、「-」と「>」を続けて入力すると、文字を合体させて「≦」「→」のようにわかりやすく表現できる。ライセンスは「SIL Open Font License 1.1」で、単体での販売こそ行えないものの、有償アプリへの組み込みも可能だ。

 今回の「2404.23」リリースでは、Quadrants、Sextants、Octantsのフォント、ラージタイプピース(Large Type Pieces)、ナードフォント(Nerd Fonts)などが新たに追加された。レガシーコンピューティング向けのシンボルも拡充されている。

ブロックモザイクフォント

 Quadrants、Sextants、Octantsはそれぞれ矩形を2×2、2×3、2×4で分割してドットを描画するブロックモザイクフォントで、ターミナルアプリの描画に最適だ。これのない環境ではドット記号を組み合わせてレンダリングを行うことがあるが、間隔がズレたり、隙間が生じる心配がなく、それを補正するターミナルのグラフィカル拡張機能も不要だ。カラー画像を生成するためにVT制御シーケンスと組み合わせることができるので、カラフルな描画も簡単に行える。

Quadrants、Sextants、Octantsなどのブロックモザイクフォント
カラフルな描画も簡単に

ラージタイプピース

 ラージタイプピースは、組み合わさせて大きな文字を表示するために設計された55の文字。DECDHLやDECDWL のような端末効果ではないので、Unicodeのプレーンテキストファイルでも利用できる。

ラージタイプピース

レガシーコンピューティングシンボルの追加

 最新の「Cascadia Code」には、Unicodeで既定されているレガシーコンピューティング用の記号が数多く含まれている。

パーソナルコンピューター黎明期の古いデバイスで用いられていた記号が多数収録

ナードフォント(Nerd Fonts)

 「Cascadia Code」フォントファミリーに「Nerd Fonts」のネイティブなバリエーション「Cascadia Code NF」と「Cascadia Mono NF」が追加された。

 「Nerd Fonts」には9,209個ものシンボルアイコン(フォルダーやファイルといった便利なアイコンに加え、アプリやWebサービスのアイコンも含む)のグリフが含まれており、たとえば「Oh My Posh」と組み合わせることで、自分だけのクールなプロンプトを作ることが可能。SLN(Visual Studioソリューション)ファイルに「Visual Studio」のアプリアイコンを表示したり、「Git」関連ファイルに「Git」アプリのアイコンを付けたりすることができる。

アプリやWebサービスのグリフもたっぷり詰まった「Cascadia Code NF」と「Cascadia Mono NF」

ソフトウェア情報

「Cascadia Code」
【著作権者】
Microsoft Corporation
【対応OS】
(編集部にてWindows 10で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
2404.23(24/04/30)