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2024年5月の「Windows Update」がリリース、緊急の脆弱性やゼロデイ脆弱性も
CVE番号ベースで59件の問題へ新たに対処
2024年5月15日 10:41
米Microsoftは5月14日(現地時間)、すべてのサポート中バージョンのWindowsに対し月例のセキュリティ更新プログラムをリリースした(パッチチューズデー)。現在、「Windows Update」や「Windows Update カタログ」などから入手可能。Windows以外の製品も含め、今月のパッチではCVE番号ベースで60件の脆弱性が新たに対処されている。
このうち、深刻度最高の「Critical」(緊急)と評価されている脆弱性は以下の1件だ。
- CVE-2024-30044:Microsoft SharePoint Server のリモートでコードが実行される脆弱性
加えて、すでに悪用の報告があったり、攻撃手法が一般に公開されている脆弱性が3件対処されている。
- CVE-2024-30051:Windows DWM Core ライブラリの特権の昇格の脆弱性(一般に公開、悪用の事実を確認済み)
- CVE-2024-30040:Windows MSHTML プラットフォームのセキュリティ機能のバイパスの脆弱性(悪用の事実を確認済み)
- CVE-2024-30046:Visual Studio のサービス拒否の脆弱性(一般に公開)
Windows 10/11およびWindows Server 2016/2019/2022
最大深刻度は「緊急」(リモートでコードが実行される)。
- Windows 11 バージョン 23H2:KB5037771
- Windows 11 バージョン 22H2:KB5037771
- Windows 11 バージョン 21H2:KB5037770
- Windows 10 バージョン 22H2:KB5037768
- Windows Server 2022:KB5037782
- Windows Server 2019:KB5037765
- Windows Server 2016:KB5037763
「Windows 11 バージョン 23H2/22H2」におけるハイライトは以下の通り。
- VPN接続に失敗する問題を修正
なお、「Windows 11 バージョン 23H2」と「Windows 11 バージョン 22H2」のパッチは共通。「イネーブルメント パッケージ」(eKB:有効化パッケージ)と呼ばれる小さなパッチで機能の有効・無効を切り替えているだけなので、アップグレードは比較的短時間で済む。
また、「Windows 10 バージョン 21H2」Enterprise/Educationエディションのサービスは6月11日に終了する。サービス終了後はセキュリティパッチなどの配信が行われなくなるため、利用の継続はお勧めできない。後継バージョンへのアップグレードを急ぎたい。
Microsoft Office関連のソフトウェア
「Microsoft Office」関連のセキュリティ修正に関しては、以下のドキュメントを参照のこと。
Microsoft Edge
「Microsoft Edge」は、「パッチチューズデー」とは関係なくアップデートされている。直近のセキュリティ修正は、米国時間5月14日にリリースされたv124.0.2478.105。
ツールバーに「更新」という赤い文字が表示されたら、すぐにアップデートを実施しておきたい。
Microsoft Visual Studio
「Microsoft Visual Studio」では、3件の脆弱性が修正された。
- CVE-2024-30045(重要:リモートでコードが実行される)
- CVE-2024-30046(重要:サービス拒否)
- CVE-2024-32004(重要:リモートでコードが実行される)
以下のバージョンでアップデートが提供中だ。
- Microsoft Visual Studio 2022 version 17.9
- Microsoft Visual Studio 2022 version 17.8
- Microsoft Visual Studio 2022 version 17.6
- Microsoft Visual Studio 2022 version 17.4
- Microsoft Visual Studio 2019 version 16.11(「CVE-2024-30045」「CVE-2024-30046」は影響なし)
Microsoft SharePoint
「Microsoft SharePoint」関連では、2件の脆弱性が修正された。深刻度の高い脆弱性の修正が含まれているので注意。
- CVE-2024-30044(緊急:リモートでコードが実行される)
- CVE-2024-30043(重要:情報漏洩)
Microsoft .NET/.NET Framework
「.NET」では、以下の脆弱性が対処された。
- CVE-2024-30045(重要:リモートでコードが実行される)
Windows向けの古い「.NET Framework」には影響しない。
そのほかの製品
そのほかにも、以下の製品に対しセキュリティアップデートが提供されている。括弧内は最大深刻度。
- PowerBI-client JS SDK:1件(重要)
- Microsoft Intune Mobile Application Management for Android:1件(重要)
- Microsoft Bing Search for iOS:1件(重要)
- Dynamics 365 Customer Insights:2件(重要)
- Azure Migrate:1件(重要)