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「ChromeOS 132」が公開、“顔”追跡で画面操作するAIアクセシビリティ機能などを導入

学校卒業時のデータ移行機能が追加、初期設定、パスワードレス認証も改善

Google、「ChromeOS 132」を発表

 米Googleは1月23日(日本時間)、「ChromeOS M132」を発表した。今年最初のメジャーバージョンアップとなる。

オンボーディングのリフレッシュ

 「ChromeOS M132」では、初期設定(オンボーディング)画面が刷新。デバイスを使い始めるときに行うプリンターやBluetoothデバイスの接続、タッチパッドの向きの変更などをシンプルなタスクリストに統合し、これらの設定を簡単に完了できるようになった。

初期設定(オンボーディング)画面が刷新

卒業生のデータ移行

 「ChromeOS 132」では新しいコンテンツ移行ツールが追加され、学校を卒業する際に「Google データ エクスポート」(Google Takeout)を通じて、学校のアカウントのデータを個人のアカウントへ簡単に移せるようになった。IT管理者が生徒や教職員に移行を促す通知を行ったり、コンテンツ転送の期限を設定することも可能。

ChromeOSのパスワードレス認証

 「ChromeOS」の主要な認証要素として、ユーザーが独自に設定したPINまたはローカルパスワードを利用できるようになる。つまり、「Gmail」のパスワードとデバイスのパスワードを結び付けないPINでログインしたりできるようになる。

 ただし、組織で管理されているデバイスはPINを有効にすることはできない。

 また、「ChromeOS 132」ではChromebookのパスワードマネージャーとパスワード自動入力機能で生体認証が利用できるようになった。

フェイスコントロール

 新しいアクセシビリティ機能として、AIを活用して顔の向きや表情をジェスチャーとしてトラッキングし、ユーザーインターフェイスを操作できるようにするフェイスコントロールが導入される。これは「Google I/O 2023」で発表された「Project Gameface」にインスパイアされた技術で、本来はマウス操作に困難を抱えるユーザーでもゲームを楽しめるようにする試みが基盤となっている。

Iを活用して顔の向きや表情をジェスチャーとしてトラッキングし、ユーザーインターフェイスを操作できるようにするフェイスコントロール

そのほかの改善

 そのほかにも、本バージョンでは多くの改善が盛り込まれている。

  • ユーザーインターフェイス(UI)デザインアップデートの一環として、「Chromebook Plus」デバイスでアプリウィンドウの角が丸くなる
  • タッチパッドをオフにするオプション。誤操作を防止
  • 「使い方・ヒント」(Explorer)アプリから[アプリとゲーム]セクションを削除。今後は「discover.apps.chrome」の利用を
アプリやゲームを探すときは「discover.apps.chrome」で

 「ChromeOS」のアップデートは、一部の環境から順次展開される。アップデートできるようになると、「設定」画面の[ChromeOS について]画面から適用が可能だ。セキュリティ修正も含まれているので、できるだけ早い対応が望ましい。

 なお、本稿で案内した新機能は段階的に展開されるものもある。OSをアップデートしてもすぐには利用できないことがある点には注意したい。