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フリーの高機能ドローソフト「Inkscape」がv0.91に大幅なアップデート

全体的なパフォーマンスの向上やユーザーインターフェイスの改善など更新

「Inkscape」v0.91

 The Inkscape projectは1月30日、ベクター画像を作成できるフリーの多機能ドローソフト「Inkscape」の最新版v0.91を公開した。最新版では、全体的なパフォーマンスが著しく向上したほか、多数の機能の追加・改善がおこなわれている。

 本バージョンでは、パフォーマンス向上のために多数の改良が行われている。「Inkscape」開発コミュニティーは数年に渡り新たな画像レンダリングエンジン“Cairo”への移行に取り組んでおり、複雑なオブジェクトを描画する際にキャッシュを作成することでより高速に作業できるようになった。また、利用可能な全てのCPUコアを利用する仕様になり、マルチコアCPU環境での性能向上が図られた。そのほか、メモリ消費量の削減、描画上の不具合修正などが施されている。

 機能の追加も多数行われている。ノードツールのツールコントロールバーへ、選択されているパスセグメントの極値点にノードを追加するためのプルダウンリストが追加された。この機能により、たとえばある曲線が描くカーブがX軸の最小方向へもっとも出っ張っている部分へノードを簡単に設置できる。

 また、“ピクセルアートのトレース”機能が新たに加わった。これは、ピクセルアート、いわゆるドット絵を元画像とする場合に特化したベクター変換機能。従来から実装されているビットマップ画像のベクター化に用いられているものとは異なるアルゴリズムに基づいて、ベクター化を行うことができる。この機能は[パス]メニューの[ピクセルアートのトレース]項目から利用可能。

 そのほかにも、描画内のあるポイントからポイントの距離や角度を計測する“ものさしツール”や、ガイドにラベルや色を設定する機能などが追加された。さらに、キーボードショートカットをユーザーが設定できるようになったほか、描画の色表示モードにグレースケールが追加されるなどの機能強化も多数行われている。

 本ソフトは、64bit版を含むWindows XP/Vista/7/8などに対応する寄付歓迎のフリーソフトで、編集部にてWindows 8.1で動作を確認した。現在、本ソフトの公式Webサイトからダウンロードできる。

ソフトウェア情報

「Inkscape」
【著作権者】
Bryce Harrington 氏、Bulia Byak 氏、Jon Cruz 氏、MenTaLguY 氏ほか
【対応OS】
64bit版を含むWindows XP/Vista/7/8(編集部にてWindows 8.1で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト(寄付歓迎)
【バージョン】
0.91(15/01/30)

(市川 祐吉)