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「Google Chrome 50」が正式版に。通知の改善や宣言型プリロードへの対応を盛り込む

20件の脆弱性も修正。Windows XP/Vistaサポートは終了

「Google Chrome」v50.0.2661.75

 米Google Inc.は13日(現地時間)、Webブラウザー「Google Chrome」の最新安定版v50.0.2661.75を公開した。「Google Chrome 50」ではプッシュ通知の改善や宣言型プリロードのサポートといった機能強化が盛り込まれている。

 プッシュ通知の初期バージョンでは、サーバーからの通知とその内容となるデータを個別に取得する仕組みになっていた。しかし、この仕様ではたくさんの通知を同時に扱う場合や、ネットワーク接続が不安定な場合にはうまく機能しないことがあったという。

 そこで「Google Chrome 50」では、サーバーからの通知メッセージへ内容をペイロードとして含むことができるように改善された。これにより、通知データをサーバーへ問い合わせる必要がなくなり、プッシュ通知の処理の安定性が向上する。プッシュ通知のペイロードは暗号化されるため、ユーザーのプライバシーも守られるとのこと。なお、この仕様は“Push API”の仕様の一環であり、「Firefox」ではすでにサポートされているものだという。

 また、ユーザーが通知ポップアップを閉じたことをサーバー側で検出する仕組みも追加された。これにより、ユーザー分析の精度が向上するとともに、複数のデバイスへ通知を行う場合に、1つの端末で閉じた通知を他の端末でも閉じるといった運用が可能となる。そのほかにも、通知ポップアップの外観をカスタマイズしたり、通知の更新時にそれを音やバイブレーションでユーザーに伝えるかどうかを指定する機能も追加されている。

通知ポップアップの外観をカスタマイズ(同社ブログより引用)

 一方、“宣言型プリロード”とはWebページの表示に必須となるリソースを開発者側で先読みするように指定できる機能だ。たとえば、JavaScriptを正常に実行を完了するにはあらかじめ特定のCSSを読み込んでおかなければならないといったケースがあっても、従来の「Google Chrome」ではそれを明示する方法がなかった。しかし、「Google Chrome 50」では、そのCSSを“”でリンクすることにより、プリロードが必要であることを宣言することができる。この機能を活用すれば、Webページがレンダリングされるまでの時間を短縮することができるだろう。

 また、本バージョンでは20件の脆弱性が修正されているので注意。主な脆弱性の深刻度の内訳は、同社の基準で4段階中上から2番目の“High”が2件、上から3番目の“Medium”が5件、最低の“Low”が1件などとなっている。

 「Google Chrome」は64bit版を含むWindows 7/8/8.1/10に対応するフリーソフトで、現在同社のWebサイトからダウンロード可能。Mac/Linux版も用意されている。なお、本バージョンからWindows XP/Vistaサポートが打ち切られているので注意。

ソフトウェア情報

「Google Chrome」Windows向け安定版
【著作権者】
Google Inc.
【対応OS】
64bit版を含むWindows 7/8/8.1/10
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
50.0.2661.75(16/04/13)

(樽井 秀人)