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従来の広告ブロッカーを使い続けるなら「Opera」 ~当面の間「MV2」サポートを堅持
でも、いつかは「MV3」になることを覚悟
2025年9月12日 08:00
Webブラウザーの多くが拡張機能の「Manifest V3」(MV3)移行を進めるなか、「Opera」が古い「Manifest V2」(MV2)のサポートを当面の間堅持する方針を明らかにした。お気に入りの拡張機能を使い続けられるとアピールしている。
「Manifest」(マニフェスト)とは、拡張機能の名前やバージョン、必要とするパーミッション(権限)といった情報を記しておくファイルのこと。近年、このマニフェストのバージョン移行がGoogleを中心に進められている。
長い間用いられてきた「MV2」は、近年のWeb標準技術の進展に追いついておらず、パフォーマンス面でも時代遅れになりつつあった。また、拡張機能に過大な権限が与えられがちで、裏で悪意のある行為を行っていてもユーザーやブラウザー側での検知やブロックが難しいことも課題とされていた。
そこで、「MV3」ではサービスワーカーや非同期処理のサポート、リモートでホストされたコードの禁止、拡張機能によるネットワークリクエストの変更制限(NetRequest API)といった改善が行われた。これにより、ブラウザーやユーザーが拡張機能をよりコントロールできるようになり、プライバシーやセキュリティが向上。新技術の採用と簡素化により、パフォーマンスの改善も期待できる。
しかし、一方で拡張機能の自由度は大きく制限された。とくに広告ブロッカーのようなタイプの拡張機能は影響が大きく、それに依存しているユーザーにとっては深刻な問題だ。
そこで、「Opera」では「MV2」サポートを当面の間堅持する。すでに利用している「MV2」拡張機能が「Opera」で利用できなくなるようなことは、当分の間ない。技術的に合理的である限り、現在の状況を維持するよう積極的に取り組むとしている。
もちろん、それと並行して「MV3」への移行も進めていくとのこと。「MV3」専用の拡張機能ストアを新設して、お気に入りの「MV2」拡張機能からの移行先を見つけやすくするなどの支援を行うという。また、「MV2」拡張機能の新規アップロードを停止したり、あまり利用されていない「MV2」拡張機能のダウンロードを停止するなどの措置をとっていくとしている。
つまり、使い慣れた「MV2」拡張機能を「Opera」で使い続けることはできるが、そうでない「MV2」拡張機能は段階的に使えなくなり、いつかは「MV3」拡張機能への全面移行が必要となる。