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「Gemini」が「Google マップ」と連動、その土地のローカルエキスパートに

「Vertex AI」で「Grounding with Google Maps」の一般提供が開始

「Vertex AI」で「Grounding with Google Maps」の一般提供が開始

 米Googleは9月26日(米国時間)、同社のクラウドAIプラットフォーム「Vertex AI」で「Google マップ」を使用したグラウンディングを一般提供(GA)すると発表した。たとえば「Gemini」に近所の店や観光地について尋ねたとき、「Google マップ」にリンクして回答に根拠を与えることができる。

 大規模言語モデル(LLM)はときどきウソをつくことが知られている。そこで、回答が事実に基づいており、信頼に値するかどうかをチェックするプロセスとして重要となるのが、「グラウンディング」(Grounding)だ。検証可能な情報源へリンクするなどして“根拠付け”を行うことで、回答の信頼性をユーザーが自らの目でチェックできるようにするわけだ。

 このグラウンディングとして「Google マップ」を活用(Grounding with Google Maps)できるようになれば、コミュニティから寄せられた情報を含む最新の位置情報・地理情報を「Gemini」などとリンクさせることができる。「Gemini」がその土地のローカルエキスパートとなると考えてよい。

 同社は、活用例として以下を挙げている。

  • 日々更新される「Google マップ」の情報へAIアプリがアクセスできるようにする。レストランの現在の営業時間やお店の臨時休業など、タイムリーな情報をユーザーに届けることが可能
  • 『このカフェの雰囲気はどうですか?』、『静かな夕食に適した場所ですか?』といった質問に「Google マップ」のユーザーレビューに基づいた回答を行う(米国とインドのみ)
  • 「Google マップ」のデータと自社のビジネスデータを組み合わせて、ビジネスに役立てる。たとえば不動産会社ならば、小さな子供のいる家族に近隣の公園や学校を強調した物件概要を提供するといった、顧客のプロファイルに応じたきめ細かい対応に活用できるだろう
  • 「Google 検索」と「Google マップ」のグラウンディングを組み合わせる。『今夜公園で行われるコンサートに子供を連れて行けるか?』と尋ねたとき、「Google 検索」で出演者や子どもに関する規約を調べる一方で、「Google マップ」で子どもでも楽しめる施設を提案するよう依頼するといった使い方が考えられる

 ビジネスでの早期導入も行われており、旅行・観光、不動産などの分野では一定の成果が得られているようだ。実際の挙動を確かめたい場合は、デモサイトを利用するとよいだろう。