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Google、コーディングエージェント「Jules」のCLIツール「Jules Tools」を発表

Webサービスとの連携に優れる「Jules API」も

Google、「Jules Tools」を発表

 米Googleは10月2日(現地時間)、「Jules」のアップデートを発表した。「Jules」は、最新の「Gemini 2.5 Pro」モデルに基づくコーディングエージェント。不具合の修正やドキュメントの追加、新機能の実装といったソフトウェアエンジニアリングにかかわる作業をバックグラウンドで、非同期に実行してくれるので、開発者はタスクを「Jules」に任せて、他の作業に集中できる。2025年8月より、一般提供されている。

Jules Tools

 今回のアップデートでは、コマンドラインインターフェイス(CLI)「Jules Tools」が導入された。これまで「Jules」を使うにはWebインターフェイスへアクセスする必要があったが、「Jules Tools」ならばターミナルからもタスクの開始・停止・検証といった操作が可能となる。他のCLIツールとの連携も容易となるので、スクリプトに組み込んだり、さまざまな自動化(オートメーション)処理に統合したりといった用途にも役立つ。

 「Jules Tools」は、「Node.js」のパッケージ管理システム「npm」を用いて簡単にセットアップできる。

npm install -g @google/jules

Jules API

 また、「Jules」にアクセスするためのAPIも解放される。「Jules Tools」はCLI連携を目的としているが、「Jules API」はWebベースのサービスとの連携を実現するものと言えるだろう。たとえば「Slack」に不具合が報告されたら「Jules」タスクをトリガーするといった自動化を行ったり、「Jules」をCI/CDパイプラインに組み込んだりといったことが可能となる。

そのほかの改善

 そのほかにも、以下の新機能が追加されている。レイテンシの削減や、不具合の修正も行われているとのこと。

  • ファイルセレクター:AIチャットに特定ファイルを加える
  • メモリ機能:ユーザーの好みを記憶し、今後のタスクを改善
  • 環境変数管理:「Jules」に安全に環境変数を渡す仕組み

 「Jules」は1日当たり15タスク、同時3タスクまでならば無料なので、気軽に試すことができる。それで足りない場合は、「Google AI Pro」や「Google AI Ultra」を契約するとよい。