ニュース

2025年10月のWindowsセキュリティパッチでスマートカード認証・証明書に問題

幅広いプラットフォームに影響

同社のアナウンス

 米Microsoftは10月17日(現地時間)、2025年10月のWindowsセキュリティ更新プログラムを適用した環境で、スマートカード認証および証明書に問題が生ずる可能性があることを明らかにした。主な症状は以下の通り。

  • 32bitアプリケーションにおいてスマートカードがCSPプロバイダー(暗号サービスプロバイダー)として認識されない
  • 文書への署名が行えない
  • 証明書ベースの認証に依存するアプリで認証関連のトラブル

 問題が生じた環境では、『invalid provider type specified』(指定されたプロバイダーの種類が無効です)や『CryptAcquireCertificatePrivateKey error.』といったエラーメッセージが表示されることがある。影響するプラットフォームは以下の通り。

  • Windows 11 バージョン 25H2
  • Windows 11 バージョン 24H2
  • Windows 11 バージョン 23H2
  • Windows 11 バージョン 22H2
  • Windows 10 バージョン 22H2
  • Windows Server 2025
  • Windows Server 23H2
  • Windows Server 2022
  • Windows Server 2019
  • Windows Server 2016
  • Windows Server 2012 R2
  • Windows Server 2012

 この問題は、暗号化を強化するためRSAベースのスマートカード証明書に対してCSP(暗号サービスプロバイダー)の代わりにKSP(キーストレージプロバイダー)を使用するようにしたことが原因。レジストリキーを編集して、この仕様変更を無効化すると解決する。

 具体的な方法は、以下の通り。ただし、レジストリは誤って編集するとシステムを破壊する可能性がある。かならず事前にバックアップを取ってから実施したい。

  1. 「レジストリ エディター」を開く。[Windows]+[R]キーを押して『regedit』と入力し、[Enter]キーを押すのが簡単だ。ユーザーアカウント制御(UAC)ダイアログが現れたら、[はい]をクリックする
  2. 『HKEY_LOCAL_MACHINE¥SOFTWARE¥Microsoft¥Cryptography¥Calais』サブキーへ移動
  3. キーを編集し、値を設定する。『DisableCapiOverrideForRSA』キーを作成し、ダブルクリックして、値のデータ欄に『0』を設定する
  4. 「レジストリ エディター」を閉じて、OSを再起動する

 ただし、Windows暗号化サービスにおけるセキュリティ機能のバイパスの脆弱性(CVE-2024-30098、深刻度「重要」)に対しては脆弱となる。