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「Zed」開発チームが「Delta」を発表 ~コードに意図をのせてチーム共有できる新しいエージェント開発環境

プライベートベータを開始

「Delta」が発表

 テキストエディター「Zed」の開発チームは8月12日(米国時間)、「Delta」を発表した。エージェントと人間が一緒にコードを書くためのマルチプレイヤー環境を目指したアプリで、同日よりプライベートベータを開始し、最初のユーザーへ招待を送付している。

 「Zed」は、かつてGitHubが開発していたコードエディター「Atom」に携わっていたメンバーが立ち上げたプロジェクト。「Atom」はWeb技術(HTML/CSS/JavaScript)をそのまま活用できる「Electron」をアプリフレームワークとして採用していたが、その限界を打破するため、プログラミング言語「Rust」で開発された「GPUI」を新たに構築。GPUのポテンシャルを最大限に引き出すことにより、高いパフォーマンスと応答性を実現しているのが魅力だ。

 AIネイティブなエディターとして設計されているのも特徴で、キー入力で続きを予測・提案してくれるコーディング支援機能はもちろん、「Agent Client Protocol」でさまざまなエージェントと連携、並列実行させることができる。

 つまり、「Zed」はエージェントコーディングを行う上で最適な場と言えるだろう。しかし、「Zed」で扱えるのは生成されたあとのコードに過ぎない。そのコードを生成するに至った開発者の意図や目的が欠落してしまっており、コードから逆にたどることができない。

 この課題に取り組んだのが「Delta」と、そのバックボーンとなっているデータベース「DeltaDB」だ。

 「DeltaDB」は既存の「Git」リポジトリと連携し、コミット(コードの変更)だけでなく、その前に行われた編集やエージェントのチャットまで紐づけて記録する。そのため、チームメンバーは「コードの変更」だけでなく、「なぜコードが変更されたのか」という意図もあとから参照できるわけだ。

 コードと意図がセットで管理されるため、「Delta」があればわざわざコードの差分から意図を読み解く必要はなくなる。過去の会話・議論がコードの横に残り続けるので、それを参照すればよい。

コードと意図がセットで管理されるため、「Delta」があればわざわざコードの差分から意図を読み解く必要はなくなる

 「DeltaDB」を「Zed」に載せることも可能で、実際にその計画もあるが、それでも新しいアプリにしたのはすでに多くのユーザーを抱える「Zed」の基盤を作り替えることを避けたためだという。「Zed」のしがらみなく、「DeltaDB」のポテンシャルをフルに発揮できるアプリにしたかったのも理由のようだ。「Zed」の開発も、もちろん継続される。

 「Delta」のスレッドはプライベートで、招待した人だけが参加できる。メンバー全員がローカルにコード(ワークツリー)のコピーを持ち、「DeltaDB」がリアルタイムで同期する仕組みだ。ワークツリーは作業にあわせて同期されるため、「最新のコードはコミット済みだったか、プッシュされていたか」と悩む必要がなくなる。作業をクラウドランナー(クラウド動作のエージェント)に移してノートPCを閉じれば、エージェントは会話やコードがスレッドと同期したまま動き続ける。スレッドはリンクで共有でき、受け取った側はわざわざアプリをインストールしなくても、Webブラウザーで内容を参照できる。

メンバー全員がローカルにコード(ワークツリー)のコピーを持ち、「DeltaDB」がリアルタイムで同期

 ちなみに、このWebブラウザー版は「Delta」をそのままWebAssemblyでコンパイルし、WebGLで描画したものだという。JavaScriptとHTMLで作り直した“簡易版”ではない。

Webブラウザー版「Delta」。JavaScriptとHTMLで作り直した“簡易版”ではない

 そのほかにも、サードパーティ製のエージェントハーネスとの連携が可能。まずは「Claude Code」がサポートされ、セッションを「Delta」のスレッドへライブ同期できるとのこと。

 「Delta」のプライベートベータは、最初の招待がすでに送付されている。今後数週間かけて招待を広げていくという。早期アクセスを希望する場合は、公式サイトから登録できる。