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土星と天王星の輪に影が差すようになった「Mitaka」v1.2.3が公開

国立天文台のプロジェクト“VERA”の成果を取り込んだほか、描画の高速化も

「Mitaka」v1.2.3
天王星の輪にかかる影は見過ごしやすい

 国立天文台4次元デジタル宇宙プロジェクト(4D2U Project)は10日、3D天体シミュレーター「Mitaka」の最新版v1.2.3を公開した。Windows XP/Vista/7/8/8.1に対応しており、個人利用に限り無償で利用可能。現在、4D2U ProjectのWebサイトからダウンロードできる。

 最新版では、土星と天王星の輪に惑星の影が表示されるようになった。太陽の反対側に惑星の巨大な影がかかるため、よりリアルな表示となっている。ただし、天王星の輪は薄いため気をつけないと輪も影も見過ごしてしまうだろう。

 さらに、国立天文台を中心に行われている銀河系の三次元立体地図を作るプロジェクト“VERA”で観測された天体(星形成領域・晩期型星)を表示する機能が追加された。[表示]-[銀河]メニューの[VERA天体]項目を選択することで、銀河系内に緑色やオレンジ色の点として星形成領域・晩期型星の位置が示される。

 加えて、全天周映像の映像フォーマット“ドームマスター”として画面を出力する機能が追加されたほか、描画が大幅に高速化されている。また、月食時の月の色をINIファイルで変更できるようになるなどの仕様変更が施された。

 そのほか、実験版として公開されているOculus Rift DK2対応版も更新され、本バージョンの変更が反映されている。

“VERA”で観測された星形成領域・晩期型星を表示
“ドームマスター”表示

ソフトウェア情報

「Mitaka」
【著作権者】
大学共同利用機関法人自然科学研究機構国立天文台
【対応OS】
Windows XP/Vista/7/8/8.1
【ソフト種別】
フリーソフト(非営利利用のみ)
【バージョン】
1.2.3(15/03/10)

(長谷川 正太郎)