レビュー

文字起こしに必要な操作とエフェクトを詰め込んだ無償ツール「テープ起こしプレーヤー」

ほとんどのキーボードで操作できるのでテキストエディターとの往復もストレスフリー

「テープ起こしプレーヤー」v1.0.0.4

 「テープ起こしプレーヤー」は、録音データから発言内容を聞き取ってテキストデータを作成する“文字起こし”を支援するフリーツール。Windows 7/8/8.1/10に対応しており、開発元のWebサイトからダウンロード可能。なお、ダウンロードの際はメールアドレスと簡単なアンケートに答える必要がある。また、動作には.NET Framework 3.5 SP1以降が必要。

 本ソフトは、“文字起こし”作業に必要とされる機能を詰め込んだサウンドプレイヤー。イコライザーやエフェクトでサウンドをクリアにしたり、聞き取りにくい部分をゆっくり再生したり、特定の部分を繰り返し再生したりといった“文字起こし”で頻繁に利用する作業の多くを、キーボード操作のみで行えるのが特徴だ。現在広く普及している先行ソフトを参考に開発しているとのことで、癖がないデザインと操作感も魅力と言えるだろう。

 対応する音声フォーマットはWAVE/MP3/WMA/AAC/AC3/FLACなどで、「テープ起こしプレーヤー」へファイルをドラッグ&ドロップするだけで開くことができる。[Play]ボタンを押すと音声の再生が開始され、[Stop]ボタンを押すと一時停止となるが、この時、音声が自動的に数秒巻き戻されるのが“文字起こし”専用プレイヤーらしい心遣いだ。どれだけ自動で巻き戻すかは、[オプション]-[設定]ダイアログで変更することも可能。

[オプション]-[設定]ダイアログ

 “文字起こし”で重要となる区間リピートは、画面右上の[A]ボタンと[B]ボタンで行う。[A]ボタンがリピート開始点を記録するボタン、[B]ボタンがリピート終了点(折り返し点)を指定するボタンとなっており、少し見づらいが、いずれもトグル(有効・無効の切り替え)するようになっている。たとえば、ファイルの途中から最後までを再生したい場合は[A]ボタンのみを、ファイルの最初から途中までを区間リピートしたい場合は[B]ボタンのみを有効化すればよい。もちろん、両方を有効化して特定の区間のみをリピートすることもできる。

 また、「テープ起こしプレーヤー」の再生位置を、テキストエディターとクリップボードを介してやり取りできる“カウンタ”機能も便利。“カウンタ”の書式は“00:10:13”といった形式になっており、発言の時間をコピーしてテキストエディターでメモしたり、逆にテキストエディターでメモした時間から再生を開始したりといった使い方ができる。

 音響処理は、音が歪まない限界まで自動で音量を上げる“ノーマライズ”、音割れを防ぎながら音量を調節する“オートマキシマイズ”、片耳で“文字起こし”をしたい場合などに使えそうな“モノラル化”、環境音を軽減する“ノイズ除去”が利用可能。そのほかにもスピードとピッチを切り替える機能や、イコライザーをリセットする機能、出力デバイスを切り替える機能、デスクトップを占有しないコンパクトモードなどを備えている。

“カウンタ”機能とコンパクトモード

ソフトウェア情報

「テープ起こしプレーヤー」
【著作権者】
(株)アスカ21
【対応OS】
Windows 7/8/8.1/10
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.0.0.4