右クリックメニューからファイル名を一括変更できるWindowsシェル拡張「SmartRename」

「SmartRename」v1.0.3

　「SmartRename」は、ファイル名を一括変更できるWindowsシェル拡張。64bit版を含むWindows Vista/7/8/10に対応する寄付歓迎のフリーソフトで、“GitHub”のプロジェクトページからダウンロードできる。

　「エクスプローラー」で選択したファイルやフォルダ―を右クリックメニューからまとめてリネームできるツール。MicrosoftがWindows 10向けに提供しているユーティリティ集「PowerToys」に収録されているファイル名変更ツール「PowerRename」のベースになっているツールで、正規表現に対応するほか、サブフォルダーも含めたリネーム処理や、リネーム後のファイル名のリアルタイムプレビューに対応するなど、なかなか強力で使い勝手もよい。

　使わない機能の多い「PowerToys」は要らないがリネーム機能だけは欲しい、Windows 10以外で「PowerToys」のリネーム機能を使いたいといったケースでは役立つだろう。それ以外の場合は、自動更新に対応している「PowerToys」の方がメンテナンスが楽でよいのではないだろうか。

　本ソフトのセットアップは、インストーラーで行う。“GitHub”に32bit版と64bit版が用意されているので、OSに合わせてチョイスしよう。起動は［スタート］画面ではなく、「エクスプローラー」の右クリックメニューから行う。セットアップが完了しても「エクスプローラー」の右クリックメニューに［SmartRename］コマンドが現れない場合は、OSを再起動する必要がある。

起動は［スタート］画面ではなく、「エクスプローラー」の右クリックメニューから行う

　「エクスプローラー」でファイルやフォルダ―を選択して［SmartRename］コマンドを実行すると、「SmartRename」ダイアログが現れる。たとえば“Hoge.txt”というファイル名を“Fuga.txt”に置換したい場合、“Search for”欄に“Hoge”、“Replace with”欄に“Fuga”と入力する。すると、“Preview”リストビューにオリジナルの名前とリネーム後の名前が表示されるはずだ。プレビューで問題がないことを確認して［Rename］ボタンを押せば「SmartRename」ダイアログは終了し、「エクスプローラー」側でファイル・フォルダー名の変更処理が行われる。

リネーム処理の流れ（“GitHub”より）

　「SmartRename」は一括のリネーム処理を「エクスプローラー」に任せるため、変更履歴が「SmartRename」ではなく「エクスプローラー」で管理される。そのため、万が一間違ってリネームしてしまっても、「エクスプローラー」で［Ctrl］＋［Z］キーを押せば簡単に元の名前へ戻すことができる。「SmartRename」が閉じてしまっているにもかかわらずロールバックが行えるのは大変“スマート”だ。

　なお、「SmartRename」に用意されているオプションの意味は以下の通り。オプションをON/OFFすれば、プレビューリストビューの内容も更新される。いろいろな組み合わせを試してみてもよいだろう。

• Use Regular Expressions：正規表現を利用する。より高度なリネームが可能
• Case Sensitive：大文字と小文字を区別する（初期設定では区別されない）
• Match All Occurrence：初期設定では最初にマッチした部分しか置換されないが、このオプションをONにするとすべての合致部分が置換される
• Exclude Files：ファイルを除外し、フォルダー名だけをリネームする
• Exclude Folders：フォルダーを除外し、ファイル名だけをリネームする
• Exclude Subfolder Items：サブフォルダーの中身はリネームしない
• Enumerate Items：連番を付与する
• Item Name Only：拡張子を除いた部分だけを置換対象にする。［Item Extension Only］オプションと排他利用
• Item Extension Only：拡張子部分だけを置換対象にする。［Item Name Only］オプションと排他利用

さまざまなオプションが用意されており、一部を除き組み合わせて利用できる