「PowerToys」を使いこなして効率UP! プレビュー版を一足先に体験

第6回

ファイル名の一括変更を右クリックメニューから手軽に利用できる「PowerRename」

複数のファイル・フォルダーもまとめて処理。正規表現や連番など、必要な機能をコンパクトにまとめる

ファイル名を一括変更できるシェル拡張「PowerRename」

 「PowerToys」の各機能を紹介する本連載。第6回となる今回は、ファイル名を一括変更できるシェル拡張「PowerRename」を取り上げる。

ファイル名を一括変更できるシェル拡張「PowerRename」

 ファイルのリネームツールはオンラインソフトでも人気のジャンルで、すぐれたアプリが数多く開発されている(参照:窓の杜ライブラリに収録されているリネームツール)。「PowerToys」に収録されている「PowerRename」は、それらと比べても遜色のないものだ。

 まず、「エクスプローラー」に統合されており、ファイルの右クリックメニューから気軽に呼び出せるのがよい。複数のファイルやフォルダーを選択して、まとめてリネームすることもできる。

ファイルの右クリックメニューから気軽に呼び出せる。複数のファイルやフォルダーを選択して、まとめてリネームすることも

 また、過不足のない機能も魅力だ。機能の多さでいえば「Flexible Renamer」のようなツールに劣るが、大文字・小文字の区別、正規表現、連番の付与、サブフォルダーの包含・除外など、基本的な機能は押さえている。UIの日本語表示には対応していないもののユーザーインターフェイスもシンプル・コンパクトで、リネーム後のファイル名をプレビューできる点も相まって使いやすい。

UIの日本語表示には対応していないもののUIはシンプル・コンパクト。リネーム後のファイル名をプレビューできる点も相まって使いやすい

 最後に、「エクスプローラー」のファイル操作エンジンを呼び出してリネーム処理を行う点にも注目したい。このおかげで、もし誤ってリネームしても「エクスプローラー」上で[Ctrl]+[Z]キーを押せば([元に戻す]コマンド)、処理を簡単にアンドゥできる。「PowerRename」を終了してしまっても、変更をロールバックできるのはスマートでよい。

間違ってリネームしてしまっても、[Ctrl]+[Z]キーで戻せる。ただし、他のコマンドで履歴が上書きされていなければだ

 なお、本ソフトで利用できるオプションは以下の通り。“Search for”欄に検索キーワード、“Replace with”欄に置換したいキーワードを入力すると、前述の通り、リストビューでリネーム後のファイル名をプレビューできる。オプションの変更もリアルタイムに反映されるため、いろいろな組み合わせを試してみるとよいだろう。

  • Use Regular Expressions:正規表現を利用する。より高度なリネームが可能
  • Case Sensitive:大文字と小文字を区別する(初期設定では区別されない)
  • Match All Occurrence:初期設定では最初にマッチした部分しか置換されないが、このオプションをONにするとすべての合致部分が置換される
  • Exclude Files:ファイルを除外し、フォルダー名だけをリネームする
  • Exclude Folders:フォルダーを除外し、ファイル名だけをリネームする
  • Exclude Subfolder Items:サブフォルダーの中身はリネームしない
  • Enumerate Items:連番を付与する
  • Item Name Only:拡張子を除いた部分だけを置換対象にする。[Item Extension Only]オプションと排他利用
  • Item Extension Only:拡張子部分だけを置換対象にする。[Item Name Only]オプションと排他利用

 この通り「PowerRename」は大変有用なツールだが、あえて欠点を挙げるとすれば、64bit版のWindows 10でしか利用できない点、リネーム機能しか使わなくても「PowerToys」をまるごと導入しなければならない点などが気になる。とくにWindows 8.1や32bit版Windows 10でも利用したいというユーザーは少なくないはずだ。

 その場合は、この機能のベースとになった「SmartRename」を選ぶとよい。使い方は全く同じだ。