「PowerToys」を使いこなして効率UP! プレビュー版を一足先に体験
第6回
ファイル名の一括変更を右クリックメニューから手軽に利用できる「PowerRename」
複数のファイル・フォルダーもまとめて処理。正規表現や連番など、必要な機能をコンパクトにまとめる
2020年8月13日 10:30
ファイル名を一括変更できるシェル拡張「PowerRename」
ファイルのリネームツールはオンラインソフトでも人気のジャンルで、すぐれたアプリが数多く開発されている(参照:窓の杜ライブラリに収録されているリネームツール)。「PowerToys」に収録されている「PowerRename」は、それらと比べても遜色のないものだ。
まず、「エクスプローラー」に統合されており、ファイルの右クリックメニューから気軽に呼び出せるのがよい。複数のファイルやフォルダーを選択して、まとめてリネームすることもできる。
また、過不足のない機能も魅力だ。機能の多さでいえば「Flexible Renamer」のようなツールに劣るが、大文字・小文字の区別、正規表現、連番の付与、サブフォルダーの包含・除外など、基本的な機能は押さえている。UIの日本語表示には対応していないもののユーザーインターフェイスもシンプル・コンパクトで、リネーム後のファイル名をプレビューできる点も相まって使いやすい。
最後に、「エクスプローラー」のファイル操作エンジンを呼び出してリネーム処理を行う点にも注目したい。このおかげで、もし誤ってリネームしても「エクスプローラー」上で[Ctrl]+[Z]キーを押せば([元に戻す]コマンド)、処理を簡単にアンドゥできる。「PowerRename」を終了してしまっても、変更をロールバックできるのはスマートでよい。
なお、本ソフトで利用できるオプションは以下の通り。“Search for”欄に検索キーワード、“Replace with”欄に置換したいキーワードを入力すると、前述の通り、リストビューでリネーム後のファイル名をプレビューできる。オプションの変更もリアルタイムに反映されるため、いろいろな組み合わせを試してみるとよいだろう。
- Use Regular Expressions:正規表現を利用する。より高度なリネームが可能
- Case Sensitive:大文字と小文字を区別する(初期設定では区別されない)
- Match All Occurrence:初期設定では最初にマッチした部分しか置換されないが、このオプションをONにするとすべての合致部分が置換される
- Exclude Files:ファイルを除外し、フォルダー名だけをリネームする
- Exclude Folders:フォルダーを除外し、ファイル名だけをリネームする
- Exclude Subfolder Items:サブフォルダーの中身はリネームしない
- Enumerate Items:連番を付与する
- Item Name Only:拡張子を除いた部分だけを置換対象にする。[Item Extension Only]オプションと排他利用
- Item Extension Only:拡張子部分だけを置換対象にする。[Item Name Only]オプションと排他利用
この通り「PowerRename」は大変有用なツールだが、あえて欠点を挙げるとすれば、64bit版のWindows 10でしか利用できない点、リネーム機能しか使わなくても「PowerToys」をまるごと導入しなければならない点などが気になる。とくにWindows 8.1や32bit版Windows 10でも利用したいというユーザーは少なくないはずだ。
その場合は、この機能のベースとになった「SmartRename」を選ぶとよい。使い方は全く同じだ。
「PowerToys」を使いこなして効率UP! プレビュー版を一足先に体験 目次
- “これ、いいな”と思った色を手軽に採取できる「Color Picker」
- ウインドウを使い慣れた位置・サイズに配置して作業効率を上げる「FancyZones」
- SVG/Markdownを「エクスプローラー」上でプレビューできるようにする「File Explorer」
- 画像ファイルのリサイズを右クリックメニューから手軽に「Image Resizer」
- キーボードのキーを入れ替えて使いやすくカスタマイズ「Keyboard Manager」
- ファイル名の一括変更を右クリックメニューから手軽に利用できる「PowerRename」
- [Alt]+[Space]キーで簡単に呼び出せるコマンド型のランチャー「PowerToys Run」
- [Windows]キーを使った便利なショートカットの“あんちょこ”を表示「Shortcut Guide」