「PowerToys」を使いこなして効率UP! プレビュー版を一足先に体験
第1回
“これ、いいな”と思った色を手軽に採取できる「Color Picker」
画面上のどこでもマウスカーソル位置の色を取得
2020年8月10日 06:30
Windows 10向けに復活を遂げた「PowerToys」
「PowerToys」は、Microsoftがかつてパワーユーザー向けに公開していたシステムユーティリティ群だ。Windows 95からWindows XP時代にかけて盛んに開発され、好評を博した一部ツールはOS本体に取り込まれることもあった。いわば、テストパイロット的な役割を持った取り組みであったといえる。
同社は以前よりこの「PowerToys」をWindows 10で復活させる計画を進めていたが、昨年の9月に待望のプレビュー版がリリース。それ以降、ツールの拡充や細部のアップデートが続けられてきた。筆者も仕事柄、初期のころから利用しているが、“もはやこれなしでWindows 10を使うのは苦痛だ”と思うぐらい便利な機能も少なくない。
そこで、本稿では正式リリースに先立ち、現時点で搭載されている「PowerToys」ツールを詳しく紹介していきたいと思う。まだ正式版ではないため、安定性の点から万人にお勧めできるものではないが、パワーユーザーを自負するならぜひ試してみてほしい。ただし、64bit版のWindows 10しかサポートされていない点には注意。
第1回となる今回は、マウスカーソル位置の色を採取できる「Color Picker」を取り上げる。
「PowerToys」を使いこなして効率UP! プレビュー版を一足先に体験 目次
- “これ、いいな”と思った色を手軽に採取できる「Color Picker」
- ウインドウを使い慣れた位置・サイズに配置して作業効率を上げる「FancyZones」
- SVG/Markdownを「エクスプローラー」上でプレビューできるようにする「File Explorer」
- 画像ファイルのリサイズを右クリックメニューから手軽に「Image Resizer」
- キーボードのキーを入れ替えて使いやすくカスタマイズ「Keyboard Manager」
- ファイル名の一括変更を右クリックメニューから手軽に利用できる「PowerRename」
- [Alt]+[Space]キーで簡単に呼び出せるコマンド型のランチャー「PowerToys Run」
- [Windows]キーを使った便利なショートカットの“あんちょこ”を表示「Shortcut Guide」
“これ、いいな”と思った色を手軽に採取できる「Color Picker」
「Color Picker」はv0.20.0で導入された、執筆時現在では一番新しいツールだ。ペイントアプリのスポイトツールのように、デスクトップで指定した座標の色を手軽に取得できる。
このツールは既定で有効化されており、[Windows]+[Shift]+[C]キーでいつでもアクセスできる。まだ不安定なようで、ショートカットキーを押しても起動しないこともあるが、その場合は「PowerToys」の設定画面で「Color Picker」をいったん無効化し、再度有効化すればよい。
「Color Picker」が起動すると、マウスカーソルの周辺に小さなウィンドウが現れ、カーソルの動きに追従するようになる。このウィンドウにはカーソル位置におけるデスクトップの色と、そのカラーコード(16進数表示とRGB表示)がリアルタイムに反映されるようになっており、意図したデスクトップ座標の色が一目で確認できる。マウスをクリックするとこのウィンドウは自動で閉じられ、カラーコードがクリップボードにコピーされる。テキストエディターなどに貼り付ければ、その色をそのまま再利用できるというわけだ。
“あ、この色いいな!”と思ったときにさっと呼び出してカラーコードを調べられるので、Webページをデザインしているときなどに役立つだろう。コピーできるカラーコードの形式は既定で16進数形式(HEX、緑色の場合“#00FF00”)となっているが、設定画面でRGB形式(緑色の場合“RGB(0,128,0)”)に切り替えられる。また、ショートカットキーのカスタマイズも可能だ。