レビュー

WindowsをPC・スマホのWebブラウザーで遠隔操作できるようにする「TiWebRemote」

書斎のPCを居間のタブレット、寝室のスマホで。全機能を無償で試用可能

「TiWebRemote」v1.1.6。サーバーデバイスにインストールすると、タスクトレイに常駐する

 「TiWebRemote」は、Windowsデスクトップを他のデバイスのWebブラウザーから遠隔操作できるようにするリモートデスクトップサーバー。Windows 10/11に対応しており、作者のWebサイトから無償でダウンロードできる。

 リモートデスクトップ接続を行うには通常、サーバーソフトとクライアントソフトがセットで必要だ。つまり、せっかくサーバーをセットアップしても、利用しているデバイスのOSに対応したクライアントソフトがないと接続できない。もし対応していても、わざわざ手持ちのデバイスにセットアップしなければならないのは面倒だ。また、クライアントソフトを別途アプリストアで購入しなければならないこともある。

 その点、「TiWebRemote」はクライアントソフトとしてWebブラウザーを用いるため、クライアントソフトがない・インストールしなければならないといったことがない。また、Windows PCだけでなく、MacやLinux、スマートフォン・タブレット(iOS/Android)からでも接続できるのもうれしいポイントだ。

 本ソフトはタスクトレイ常駐型のアプリとなっており、操作対象のデバイス(接続先、サーバー)で実行ファイル(TiWebRemote.exe)を起動するだけで機能する。初回実行時などに「Windows セキュリティ」ダイアログが表示されたら、「TiWebRemote」によるネットワークアクセスを許可しておこう。接続可能な状態になったら、タスクトレイに「TiWebRemote」のアイコンが現れ、ツールチップに「待機中」と表示される。

「Windows セキュリティ」ダイアログが表示されたら、「TiWebRemote」によるネットワークアクセスを許可。本ソフトはインターネットでの利用を想定していない。利用はプライベートネットワークにとどめておこう

 手元のデバイスからサーバーデバイスへ接続するには、まずサーバーデバイスで「TiWebRemote」のタスクトレイアイコンを右クリックし、設定ダイアログを開く。すると、接続先のアドレス(URL、「http://192.168.xx.xx:8080」のような形式)と8桁の暗証番号([文字を表示]チェックボックスをONにすると、内容を表示できる)を確認できるので、これをメモしておく。

接続先のアドレスをメモ。スマートフォン・タブレットからの接続であれば、デバイスのカメラでQRコードを読み取るのが早い

 あとは手元のデバイスでWebブラウザーを起動し、アドレスバーにURLを入力して[Enter]キーを押すと、サーバーデバイスのデスクトップが表示されるはずだ。認証が必要な場合は、先ほどメモした8桁の暗証番号を入力すればよい。クライアント側の処理はすべてJavaScriptで実装されているため、特殊なアプリや拡張機能は不要だ。

デスクトップの「Firefox」で「TiWebRemote」サーバーに接続した様子
8桁の暗証番号を入力すると、デスクトップへリモート接続できる

 接続元(クライアント)デバイスがカメラを搭載したスマートフォン・タブレットであれば、サーバーの設定ダイアログに表示されるQRコードを読み取るだけで接続できるので、さらに手軽だ。

Androidの「Google Chrome」で接続

 なお、本ソフトは同作者製の有償アプリ「AmuseGraphics」「Mirror-DTC」向け追加ソフト「TiUtilities」の一部として提供されている。ライセンス(税込み2,750円)を入力しないとアプリの起動時に購入を促すダイアログが表示されるが、とくに機能制限はないとのこと。つまり、無償で全機能が試用できる。気に入ったらライセンスを購入し、開発を支援するとよいだろう。

 また、本ソフトは通信データを暗号化していない。転送データの圧縮率も高くはないため、インターネット経由での利用には適してない点には注意。仕事部屋に置いているPCを居間や寝室で操作したい、といった場合にのみ利用しよう。

ソフトウェア情報

「TiWebRemote」
【著作権者】
T.Ishii 氏
【対応OS】
Windows 10/11
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.1.6(24/08/18)