REVIEW(10/08/26)

癖はあるが軽量・軽快な“Sysinternals”製の仮想デスクトップソフト「Desktops」

見せかけではなく実際にデスクトップの実体を複数生成して切り替える仕組み

「Desktops」v1.02「Desktops」v1.02

 「Desktops」は、4つのデスクトップを切り替えられる仮想デスクトップソフト。Windows XP/Server 2003以降に対応するフリーソフトで、編集部にてWindows 7で動作を確認した。同社のWebサイトからダウンロードできる。

 本ソフトは、米Microsoft Corporationの一部門である“Sysinternals”製の仮想デスクトップソフト。4つの仮想デスクトップをホットキーで切り替えられるほか、タスクトレイアイコンをクリックすると現れる仮想デスクトップのサムネイルを選択して、デスクトップを切り替えることも可能。

デスクトップは4つまで切り替え可能デスクトップは4つまで切り替え可能

 特徴は仮想デスクトップ機能の実装方法で、一般的な仮想デスクトップソフトがデスクトップの実体を1つだけ管理し、表示されるウィンドウのON/OFFを管理してあたかも複数のデスクトップが切り替えられているように見せかけているのに対し、本ソフトではデスクトップの実体そのものを3つ追加で生成し、それを切り替えている。

 そのため、本ソフトはデスクトップの切り替え処理がシンプルで、表示切り替えの不具合が少なく、軽量で動作も高速であるという。編集部にて試用したところ、マルチモニター環境のデスクトップでも問題なく動作するようだ。

 ただし、副作用も多いので注意。たとえば、仮想デスクトップ間でウィンドウを移動することができない。この機能は一般的な仮想デスクトップソフトでは当たり前となっているだけに、不便に思うユーザーも多いかもしれない。また、グローバルフックやホットキーを利用するソフトや、OS内で複数起動が許可されていないソフトは、1つのデスクトップでしか利用できない可能性があるので注意。

 そのほか、Windows起動時に実行される常駐型ソフトは1番目のデスクトップでのみ有効となる。また、追加生成したデスクトップの実体上で実行したプロセスを削除する手段がないので、本ソフトの終了後は一度ログオフしたほうがよいようだ。

 なかなか使い勝手に癖のあるソフトだが、シンプルで軽快な仮想デスクトップソフトがほしいユーザーにはぴったりかもしれない。

【著作権者】
Mark Russinovich 氏、Bryce Cogswell 氏
【対応OS】
Windows XP/Server 2003以降
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.02(10/01/19)

(柳 英俊)