REVIEW(10/08/30)

複数のPDF文書から抜き出したページを結合できる「PDF Split and Merge basic」

分割・結合・抽出・削除・並び替えといった基本的な加工も可能

「PDF Split and Merge basic」v2.2.0「PDF Split and Merge basic」v2.2.0

 「PDF Split and Merge basic」は、分割・結合・抽出などに対応するPDF加工ソフト。Windowsに対応する寄付歓迎のフリーソフトで、編集部にてWindows XPで動作を確認した。作者のWebサイトからダウンロードでき、動作にはJavaランタイム(JRE)が必要。

 本ソフトは6種類のプラグインを切り替えることで、画面構成や機能が変化する仕組みになっている。各プラグインでは実現可能な結果が重複することもあるので、機能ではなく目的でプラグインを切り替えると考えたほうがわかりやすい。

 まず“Split”は、1つのPDF文書を自動で分割することに特化したプラグインで、分割規則を指定するだけで手軽にPDF文書を分割できる。分割規則には、1ページごとの分割、奇数または偶数ページでの分割、指定したページの後で分割、指定したページ数ごとの分割、指定したファイルサイズでの分割、しおりごとの分割が用意されている。

 1つのPDF文書に対してより複雑な加工を施したいなら、“Visual reorder”を選択する。ここでは各ページのサムネイル画像を見ながら、指定したページを削除したり並び替えることが可能。若干手間はかかるが、不要なページを削除し、ページ構成を変更した上で、複数のファイルに分割するといったことも実現できる。

 残り4種類のプラグインは複数のPDF文書を加工するために使い、“Merge/Extract”は複数のPDF文書を指定順で1つのファイルに結合するプラグイン、“Rotate”は複数のPDF文書の全ページを一括で回転させるプラグインとなっている。また“Alternate Mix”もPDF文書を結合するプラグインだが、トランプのシャッフルのように2つのPDF文書のページを交互に挿入することが可能。

 最後の“Visual document composer”は、“Visual reorder”と“Merge/Extract”を組み合わせたようなプラグインであり、複数のPDF文書から抜き出したページを自由に並び替えた上で結合できる。もちろん単体のPDF文書でも利用可能なので、1つのPDF文書から数ページだけを抜き出したい場合には、“Visual reorder”よりも“Visual document composer”のほうがインターフェイスの都合上使いやすい。

 なお、暗号化機能などを搭載する上位版の“enhanced”も公開されており、そのソースコードは無償でダウンロードできるが、コンパイル済みのファイルやインストーラーを入手したい場合には1ユーロ以上の寄付が必要となる。

【著作権者】
Andrea Vacondio 氏
【対応OS】
(編集部にてWindows XPで動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト(寄付歓迎)
【バージョン】
2.2.0(10/03/27)

(中井 浩晶)