レビュー
歌って話せるフリーの音声合成ライブラリ「MikoVoice」
ひらがなのテキストをそのまま発話。音声記号を加えれば高低・強弱などを加えることも
(2015/6/3 06:00)
「MikoVoice」は、音声合成のAPIを提供するライブラリ。Windows Vista/7に対応しており、編集部にてWindows 8.1で動作を確認した。作者のWebサイトから無償でダウンロードできる。
本ライブラリは、フリーで利用できる音声合成ライブラリ。もともとはテキストエディター「Epsaly」の内部ツールとして開発されたが、v1.20で単体提供されるようになった。非常に軽量(200KB程度)で高速に動作する点と、音の高低や強弱・イントネーション・発話の速さを細かく指定できる点が特長だ。
基本的には音声出力が必要なシステムに組み込んで利用できるものだが、同梱のテストツール(bin\Test2.exe)を利用すれば、本ライブラリによる音声合成を気軽に体験することができる。
テストツールの基本的な使い方は簡単で、テキストボックスにひらがなでテキストを入力し、[発声]ボタンを押すだけ。[ファイル]-[合成音声を保存する]メニューを利用すれば、発声をWAVE形式で保存することもできる。長音“ー”や促音“っ”、句読点、感嘆符なども利用可能で、一般的なひらがなのテキストをそのまま発話できる(ただし、助詞“は”は“わ”と入力する必要あり)。
さらに、音の高低や強弱などを加えたより高度な発声を得たい場合は、テキストに音声記号を加える。たとえば、かなの前に“^”を付与すると一段高く発音される。“[]”で括れば、その範囲を続けて高く発音することも可能。同様に、一段強く発音するには“~”を加えればよい。そのほかにも、“*Te(数値)”で1分間に読み上げる文字数を指定して発話の速さを調節するといった記法が設けられている。工夫次第では方言を再現することも可能だ。
そのほかにも、本ライブラリは歌を歌わせることが可能。複数の発声を重ね合わせて和音を出したり、斉唱・輪唱を行うこともできるほか、ビブラートを効かせたり、エコーをつけることもできる。音声記号の記述はその分複雑になるが、テストツールにプリセットされている歌の音声記号テキストを参考にすれば、好きな歌を歌わせることも可能だ。
ソフトウェア情報
- 「MikoVoice」
- 【著作権者】
- 渡辺 正彦 氏
- 【対応OS】
- Windows Vista/7(編集部にてWindows 8.1で動作確認)
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 1.20(15/04/08)