レビュー
“目隠し将棋”や“ランダム将棋”といったルールでAIとの対局を楽しめる「ねずみ将棋」
“神様”“たぬき”“ことり”の3難易度を選択可能。おまけ機能も充実
(2015/12/3 14:35)
「ねずみ将棋」は、“目隠し将棋”や“ランダム将棋”といったルールでAIとの対局を楽しめる将棋ソフト。Windows 7/8.1に対応するフリーソフトで、編集部にてWindows 10で動作を確認した。ベクターのライブラリページなどからダウンロードできる。なお、音声の再生にはDirectX 8以降が必要。
本ソフトは、アマチュア級位者向けの将棋アプリ。強さは“総合的には3級ほど”とのこと。一部の駒を使えなくしてハンデをつける“駒落ち”にも対応しおり、入門者が挑戦するにはちょうどいい強さと言えるだろう。それほど強いわけでもないが、いろいろな戦型で仕掛けてくるので意外に歯ごたえがある。
「ねずみ将棋」という名前から、てっきり相手が“ねずみ”なのかと思いきや、“ねずみ”なのはユーザーの方。“神様(つよい)”“たぬき(ふつう)”“ことり(かわいい)”の3つから相手を選び、挑戦することになる。
本ソフトの一番の特徴は、なんといってもいろいろなルールが選べることだろう。新規対局画面では、一般的な“通常対局”のほか、“目隠し将棋”、“ランダム将棋”、“10秒将棋”の3つが選択できる。
1つ目の“目隠し将棋”は、将棋盤と将棋の駒を利用せずに行う将棋だ。ルールは一般の将棋と同じだが、駒の動きを“7六歩”“8四歩”と声で伝えあいながら対局を進めていく。本ソフトの場合、盤面に駒が表示されず、相手の指し手は合成音声による符号の読み上げで伝えられる。自分の指し手は、盤面上で見えない駒をドラッグして指定する仕組み。。指し手を記憶して盤面をイメージするのが難しく、最弱の“ことり”相手でも勝利はかなり難しそうだ。
2つ目の“ランダム将棋”は、駒の初期配置をシャッフルする本ソフト独自のルール。先手と後手の駒の配置を同じにする(先後同型)と、かならずしも先後同型にはならない“バラバラ”が選択できる。普通の将棋ではめったに見られない形が頻出するので、定跡の記憶に頼って強くなったタイプの指し手は、なかなか手こずるのではないだろうか。駒の利きをよく確認し、基本となる“三手の読み”をしっかり行いつつ、凝り固まった陣形をほぐして、駒の働きをよくしていくのがポイントになるだろう。
最後の“10秒将棋”は、その名のとおり1手10秒以内に指すルールの将棋。“ランダム将棋”とは異なり、読みの深さよりも早さ、そして感覚が求められる。合成音声による残り時間の読み上げがあるので急かされるが、落ち着いて盤面を広く見て指したい。
そのほかにも、CSA形式による棋譜の読み込み・保存にも対応。特定の条件を満たすことで実績が解除される“チャレンジリスト”や、利用しているPCで将棋AIが1秒間に何手読めるか調べる簡易ベンチマーク機能“占い”といったおまけ機能を楽しむこともできる。ドット絵のかわいらしいグラフィックも相まって、親しみやすい将棋ソフトに仕上がっているので、将棋ファンの人はぜひ一度試してみてほしい。
ソフトウェア情報
- 「ねずみ将棋」
- 【著作権者】
- 魚肉マン 氏
- 【対応OS】
- Windows 7/8.1(編集部にてWindows 10で動作確認)
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 1.01(15/09/27)