レビュー

“銅版ゴシック”スタイルを目指して制作された和文フォント「あおぼし」

ライセンスは縛りの比較的緩い「OFL-1.1」、商用での利用も可能

「あおぼし」フォント

 「あおぼし」は、“銅版ゴシック”スタイルを目指して制作された和文フォント。半角英数、約物、ひらがな、カタカナ、全角記号などを収録したTrueTypeフォントで、ライセンスは縛りの比較的緩い「OFL-1.1」。商用での利用や改変、コンテンツへの組み込みなども可能だ。

 銅版ゴシック(Copperplate Gothic)とは、1901年にアメリカのタイプデザイナーFrederic W. Goudy氏によって設計された書体。銅版印刷の文字を起源としており、角ばったゴシック書体に、終筆を強調する小さなヒゲ(セリフ)がついているのが特徴で、装飾的でありながら洗練された印象を与えることもあり、見出しやキーワードで用いられることが多かった。産業化と都市化が進む20世紀初頭のアメリカで、専門職の権威、信頼、格式を想起させるフォントとして銀行、法律事務所、医師などに人気があったという。

銅版ゴシック(Copperplate Gothic)[© GearedBullCC BY-SA 2.5]

 「あおぼし」フォントは、そうした銅版ゴシックの太さが均一、小さなセリフありという特徴を引き継ぎつつも、本家とは異なり、どこかかわいらしい雰囲気をまとっているのが面白い。字画を縦横直線的にして角を大胆な曲線で繋いだひらがなのデザインが、そんな印象を与えるのだろうか。レトロな要素もあるので、そうした雰囲気を重視したいシーンで役立ちそうだ。

 なお、本フォントは「GitHub」のほかにも、「Google Fonts」でも公開されている。ダウンロードは「Google Fonts」からの方がわかりやすいだろう。

「Google Fonts」の公開ページ。[Get font]ボタンからダウンロード可能だ



ソフトウェア情報

「あおぼし」
【著作権者】
まつばなつみ 氏
【対応OS】
(編集部にてWindows 11で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.000