REVIEW(11/01/25)

暗号化対応の手軽な仮想ドライブ作成ソフト「Virtual Disk Utility」

Mac OS X版も用意されている

「Virtual Disk Utility」v1.0.32384「Virtual Disk Utility」v1.0.32384

 「Virtual Disk Utility」は、パスフレーズによる暗号化に対応した仮想ドライブを簡単に作成・マウントできるソフト。Windows XP/Vista/7などに対応するフリーソフトで、作者のWebサイトからダウンロードできる。なお、ダウンロードの際はユーザー登録が必要。

 ドライブを仮想化するメリットは、なんと言ってもデータのポータビリティ(可搬性)が向上することだろう。本ソフトの場合、作成した仮想ドライブの実体は“.kvd”という拡張子をもつ単一のファイルになっているので、これをコピーするだけでドライブをまるごと複製・バックアップできる。

パスフレーズによる仮想ドライブ全体の暗号化に対応パスフレーズによる仮想ドライブ全体の暗号化に対応

 さらに、本ソフトは仮想ドライブ全体へ暗号化を施すことも可能。仮想ドライブを作成する際に指定したパスフレーズを入力しない限り、仮想ドライブのマウントも、中のファイルの読み取りもできないので、機密書類を保存するドライブとして利用できる。また、本ソフトにはMac OS X版も用意されており、WindowsとMac間でドライブごとファイルをやりとりできるのもうれしい。

 なお、KVDファイルの正体は“SQLite”のデータベースファイルで、それを仮想ドライブとしてマウントする仕組みになっているのは興味深い。仮想ドライブへのマウントには、さまざまなデータをWindowsのファイルシステム化するライブラリ“Dokan”が利用されている(Mac版では同様の機能をもつライブラリ“MacFUSE”を利用)。また、“SQLite”と聞くと、データの挿入・削除によって次第にファイルが肥大化してしまうことが懸念されるが、本ソフトではアンマウントのたびに最適化を行うことで解決している。

【著作権者】
Dell Inc.
【対応OS】
Windows XP/Vista/7など
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.0.32384(10/07/20)

(柳 英俊)