レビュー

レトロな風味が魅力。国鉄の駅名標に使われていた文字を再現した「国鉄っぽいフォント」

派生版として等幅版や駅の案内表示などに使われていた各種案内表示のピクトグラム版も

「国鉄っぽいフォント」v1.43

 「国鉄っぽいフォント」は、かつて国鉄の駅名標などに使われていた文字を独自に再現したフォント。アルファベット・ひらがな・カタカナおよび第一・第二水準+αの漢字などを収録するTrueTypeフォントで、作者のWebサイトから無償でダウンロードできる。

 本フォントは、東海から中国・四国地方にかけての駅の吊り下げ式駅名標や、全国の国鉄駅の柱用駅名標に使われていた字体を再現したもの。この字体は、国鉄の「鉄道掲示基準規程」という通達で定められていたが、そこではアルファベットとひらがなの字体しか規定されておらず、漢字は部首のみが規定されていたという。

 そこで、本フォントに収録されている漢字は、部首を組み合わせて字体を再現してある。また、カタカナや記号などは雰囲気を踏襲しつつ、独自に作成しているとのこと。フォントの名前が「国鉄フォント」ではなく「国鉄“っぽい”フォント」になっているのもそのためだ。

 ひらがなは愛嬌のある丸文字、漢字は字面いっぱいに線を伸ばした骨太スタイルになっており、細身でシャープな字体が好まれる最近のフォントと比べるとレトロな風情が感じられる。駅名標に用いられていただけあって視認性もよい。

 なお、本フォントの派生版として等幅版や駅の案内表示などに使われていた各種案内表示のピクトグラム版も用意されている。また、若干古いバージョン(v1.12)を元にしたものだが、有志によるOpenType版も試験的に公開されているとのこと。こちらもぜひ活用してほしい。

ソフトウェア情報

「国鉄っぽいフォント」
【著作権者】
Yokochan 氏
【対応OS】
Windows(編集部にてWindows 8.1で動作を確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.43

(樽井 秀人)