生成AIストリーム
これからの海外旅行で知っておきたいChatGPTの使い方 ~AIで旅がもっと手軽に!
2025年5月12日 12:36
久しぶりの「生成AIストリーム」です。ネット上の情報だけを観測していると、毎週のように新しくなるChatGPTの最新バージョンや、AI情報のインフルエンサーの驚き構文ばかりが踊っていて、人によっては焦りを感じたり、『もう会社指定のMicrosoft版ChatGPTだけ使っていればいいのでは……』といった感覚を持つ人も多いのではないでしょうか。
しらいはかせ(X:@o_ob)の連載「生成AIストリーム」では世界を舞台に『つくる人をつくる』をビジョンに飛び回るクリエイティブAIの使い手として、世界の生成AIの舞台へのリーチを通して市民レベル、会社経営レベル、クリエイター視点などで生々しい『常識のアップデート』をお伝えしていきます。
- ⇨AICUコラボクリエイターが全米最大級アートイベント『The Brewery Artwalk』に出展!日本発・AIアートの実演展示
- https://note.com/aicu/n/n5c9142e50f58
実は手軽になっている海外旅行。世界一周も夢じゃない
JTB総研らの調べによると、日本のアウトバウンド海外旅行はコロナ前の水準の半分程度までしか回復していないらしく、一方では日本以外は100%以上に回復しているそうです。日本の国内からの視点では東京や大阪など大都市や観光地には外国人旅行者が溢れているし、中国の爆買いツアーや富裕層以外にも、多様な方々が日本の大都市と地方都市、それも結構マニアックな旅行を楽しんでいるようです。海外旅行の値段や組み立て方も随分と変わっています。
今回の筆者は「世界一周」で試してみましたが、従来の航空会社による自己調達やパッケージツアー以外に、ホテル予約サービス「Hotels.com」と「Expedia」による航空券+ホテル予約サービスや中国系の旅行予約サービス「Trip.com」を使うとかなり安く組み立てることができるようになっています。ホテル代はコロナ以降は上がったままなのですが、これらの航空券+ホテル予約プランで工夫すると、だいたい30万円ぐらいで無理なく世界一周することもできるようになりました。世界の旅行者たちはこのようなアプリやサービスを使って自遊旅行を楽しんでいます。
- ⇨「世界一周」はいくらで実現できるか(2025予備調査編)
- https://note.com/o_ob/n/n3b53c46d3590
飛行機が飛び立つ前にどんなアプリを使うか
飛行機に乗る際に、どんな人々がどんな席(エコノミーなのかビジネスなのか)、そしてどんなアプリを使っているのかを見ると、いろんなことがわかります。今までは飛行機が飛び立つ前はメールだとかメッセンジャーだとかを使っている人が多かったと思います。
最近ではPCなどの大きいコンピューター以外は機内モードにすれば電源を落とす必要はないので、飛び立つ前後の動画なども撮れます。若者はどこの国でも縦型の動画共有サイトを観て、心を落ち着けていることが多いみたいです。機内Wi-Fiでは帯域が制限されていてリアルタイムの動画はほとんど観れないので、事前に「Amazon Prime Video」などの動画をダウンロードしておく、それ以外の方々は(自分も含めてほぼ)「ChatGPT」になっている感じがします。それも文字を打つだけでなく、音声入力で使っている人がかなり多いです。『子供を両脇に抱えたビッグママが、スマホを片手に、ChatGPT相手に何か命令や相談をしている』という感じ。まさに「生成AIストリーム」感があります。
ChatGPTはネットワークがないと使うことはできませんが、それでも帯域が制限された機内Wi-Fiではブラウジングよりは便利です。帯域が制限されていることが多いため、ブラウザーで動画などが多いサイトは開くことすらできず、メールやメッセージングぐらいしかできない……となることが多かったのですが、ChatGPTだと少ない帯域でもかなり効率よく、事を進められます。例えば、こんな使い方を試してみました。
LAXからUberを使いたい、どうすれば?
解説すると、近年LAX(ロサンゼルス国際空港)からの到着便で、直接Uberを利用することはできなくなりました。出発便はともかく、到着を個人のUberが利用すると空港周辺が客待ちの車で混みすぎるためどこの国際空港でもゾーンが指定されていたりします。
以前はバスと地下鉄を使って1時間半ほどでダウンタウンに移動することができました。しかし、コロナ禍の混乱でホームレスが車両の中に住み着いていたりして、子供を連れていく場合の安全性確保や大きな荷物を持った場合の公共交通機関の難しさは未知数です。またLAXは怪しげな白タクやスリなど、不審な人物が声をかけてくる例が多く、人懐っこい日本人旅行者は鴨がネギを背負っているような感じに見えますので特に注意が必要です。
旅慣れた方や、現地の在住者などでレンタカーや自家用車を使わない場合は『LAXではなるべく公共交通機関を使用せず、Uberやタクシーなどの代価手段を使う』という感覚が常識になっています。彼らにはすでにお馴染みなのですが、最近のLAXでは『LAX-it(ラグジット)』という大型駐車場エリアに行って、そこからUberやLyft、タクシーといったライドに乗る流れが整備されています。各ターミナルの到着エリアから乗合シャトルバスに乗ってLAX-itまで移動する必要があるのはちょっと難解ですが、行ってみると『なるほど』という感じはします。イエローキャブなどのタクシー会社も同様です。
ダウンタウンのユニオン駅に行きたい場合はFlyAwayバスも便利ですが、最近片道12.75米ドルに値上げされたうえ、車内現金不可で事前予約必須です。
なお2025年6月以降はメトロ新駅が開業予定ですのでこの状況も変わります。
……という、文章にしてもこれぐらいの内容がある『初見殺し』がロサンゼルス国際空港には常にあるのですが、この手順は地図を見てもなんだかわかりませんし、Google マップを見てもよくわかりません。
「Uber」アプリを日本でセットアップしてくれば、まだ少し情報がありますが、到着時に一瞬しか表示されません。さらに米国に到着してから「Uber」をセットアップしようとすると、ネットがない、SMSが受け取れない、など詰んでしまいます。「Uber」を使った場合のダウンタウンへの移動コストは50~80米ドルと結構しますし、実際この辺りがわからなくてマゴマゴしている日本人旅行客はLAXにたくさんいます。レンタルWi-FiはSMSが受け取れるわけではないので、povoやahamoをeSIMで契約していくのが良い準備だと思います。
地球の歩き方すら教えてくれるChatGPT
ChatGPT+機内Wi-Fiで『その先の行動ガイド』まで教えてくれるとなると、やはり行動が変わりますね。かつては『地球の歩き方』、その後は筆者が書いているような旅行ガイドのブログがソースになっていましたが、ChatGPTによって常に最新の情報がアップデートされる『集合知』がソースになってきています。
ChatGPTにガイドを頼むなら、『安全性を重視する』か『コスパ・タイパを重視する』か、『大型の荷物やベビーカーがある』といった条件はメモリ機能にしっかりと教え込んでおきましょう。
なお、この用途ではChatGPTの再帰的Webサイト検索機能「Deep Research」はあまりお勧めしません。調査の時間がかかる割に、治安面、特に事件や事故、車内での緊張感などのレポートブログなどがどんどん出てくるので冒険どころか恐怖を煽る要素が増えてしまうからです。バックグラウンドでの動作や、情報の優先度などに調整が入る可能性はありますが、ここは現地のビッグママを参考に『ワンショットのボイスで聴きたいことをその場で聴くスタイル』が良さそうです。
機内食の楽しみ方も変わる
実は機内食の楽しみ方も変わります。
旅行ブロガーとしてはつい、毎回の食事を写真に撮ってしまいがちですが、こんな質問もできます。
この画像はユナイテッド航空(United Airlines)の機内食の一例です。以下の点から判断できます: 航空会社の特定
- ナプキンに「UNITED」ロゴが印刷されており、ユナイテッド航空のものと確認できます。
機内食の内容
- クロワッサン(All-Butter Croissant, 43g)
- スクランブルエッグ風の卵料理
- ポテトと野菜のトマト煮(ベジラタトゥイユ風)
- ソーセージ(ポークまたはターキー)
- フルーツ(パイナップルとブドウ)
- バター(Grassland Butter)
推定される便のタイプ
- 朝食メニューであることから、午前中着の長距離便の朝食サービスの可能性が高いです。
- 内容とトレイの色からして、エコノミークラスのインターナショナル便(またはプレミアムエコノミー)と推定できます。
推定される路線例
ユナイテッド航空でこのような朝食が提供される典型的な国際線の一例:
- 成田 or 羽田 → サンフランシスコ / ロサンゼルス / シカゴ
- 早朝到着の便で提供される「到着前の軽朝食」
正確な便名(例:UA837など)を特定するには:
- 搭乗日と路線の情報
- 座席クラス(エコノミー/プレエコなど)
が必要ですが、写真の内容からはそこまでは特定できません。
もし便名や日付が分かれば、搭乗履歴やメニューアーカイブと照合してより正確に絞り込めますが、ご希望ですか?
使い方によってはゾッとするかも知れませんが、機内のアテンダントからは『タマゴ?サンドウィッチ?』ぐらいしか聞けない機内食の詳細が読み取れます。パンの重さなど意識していないところまで見てくれますので、『カロリー、栄養成分を推測して』といえば計算もしてくれます。薄暗い機内で、ただ出された食事をかきこむような感覚から『これがアメリカのラタトゥイユかぁ』とか、『これはポークかな?ターキーかな?』といった『人間しか確かめようがない要素』を味わうことができる、という新しい体験もできますね。
生成AIストリーミングまとめ:じゃあ結局LAXからダウンタウンにはどう行けばいいの?
2025年7月時点での「LAX→ダウンタウンLA」のChatGPT 4oがおすすめしてきた移動ルートを3つ、技術的視点・UX視点・旅人視点を織り交ぜてご紹介します。
生成AIストリーム的・2025年7月版「LAX→ダウンタウン」3ルート
ルート1:未来接続型【新LAX/Metro Transit Center → Kライン → Aライン 直通】
注目ポイント :2025年6月開業の新駅「LAX/メトロ・トランジットセンター駅」を活用!
2025年6月、ついにLAXとLA Metroが“物理的”に接続される時代がやってきました。これまでは無料シャトルで空港外のAviation/LAX駅まで移動する必要がありましたが、2026年には全自動無人運転車両システムの空港ピープルムーバー(LAX Automated People Mover)で直結されるLAX/Metro Transit Center駅が利用可能です。
この新駅からは、Kライン(旧Crenshaw Line)に接続し、Expo/CrenshawでEライン、あるいは乗換えでAライン(旧ブルーライン)へ乗り継ぐことで、ダウンタウンへダイレクトにアクセス可能。Google マップも最新情報に対応済みです。
UX的には:
- TAPカードの料金が$2(アプリあり)、そして基本運賃が1.75米ドル
- 地下鉄で『空港から街へ』というヨーロッパ的な旅情がようやく味わえるように
- 乗換は1回以内に抑えられ、車内も比較的清潔(新設区間)
ただし:
- 所要時間2時間程度、ただし渋滞の心配は少ない
- Kライン開通直後の混雑や運行遅延、まだ慣れていない係員の案内ミスに注意
- 深夜帯はやはり避けるべき。荷物が多い旅行者には不向き
おすすめ度: ★★★☆☆(デジタルノマド・新しい物好き・鉄道好き向け)
ルート2:定番信頼型【FlyAwayバス直行ルート】
注目ポイント: ノンストップ+エアポート仕様の定番バス。値上げ済みも、安心の王道
「FlyAway」は、かれこれ20年以上の実績を誇るLAX公式連絡バス。2025年7月現在でも、LAXからユニオン駅まで直行45〜60分(渋滞次第)で到着します。しかも乗り場はターミナルごとに配置、迷うことも少なく、スーツケースを持っての移動も楽。
UX的には:
- 車内Wi-Fi、USB充電、トランク預け可能。安心・快適・日本人向け
- ユニオン駅は地下鉄Bライン(レッドライン)始発駅でもあり、そこから市内各地へスムーズ
ただし:
- 値段が12.75米ドル(2025年4月改定)とルート1に比べて割高
- 現地でチケットを買えない(事前オンライン予約のみ、クレカ必須)
おすすめ度: ★★★★☆(ビジネス渡航・家族連れ・初ロサンゼルス向け)
ルート3:Uber・Lyft ライドシェア
注目ポイント: アプリ1つで完結。移動=プライベート空間
どんな時間帯でも安心を買うなら、やはりこれ。LAXでは専用の「LAX-it(ラグジット)」乗り場からUberやLyftがピックアップしてくれます。宿の住所を入れたらあとは車内でリラックス。時間帯によっては所要30〜45分、料金は35〜70米ドル(UberX)で、荷物が大きかったり人数が多くても「Uber」上で調整できます。
UX的には:
- 荷物の積み下ろしも車両によってはドライバーが対応
- スマホ1台ですべて完結。到着時間も読める
- 深夜・女性の一人移動・クリエイター機材あり、Airbnbやマニアックな安宿で交通が不便な方にはベスト
ただし:
- 朝夕など渋滞にはまると運賃が高騰(Uber Surge)、100米ドルを超えることも
- ドライバーの質にばらつきあり
おすすめ度: ★★★★★(クリエイター・深夜到着・マニアックな宿・快適至上主義向け)
おわりに:生成AI時代の移動選択とは?
移動すらもまたUXの一部です。LAXからダウンタウンへは、『予算』、『時間帯』、『荷物の量』、『経験値』によって選択肢が大きく変わります。『誰にとっても定番ルート』はもはやありません。生成AIが道を予測する時代だからこそ、知識だけではなく知能を使って自分の旅にふさわしい移動スタイルを選んでいきましょう。自分が許容できるリスクを選ぶのもまた“生成AI時代的判断スタイル”とも言えそうです。
[著者注]ChatGPTよる未来予測なので、実際の安全性や料金などは変更される可能性があります。読者の皆さんは、自己責任で安全な旅行を体験してください。多様な日本人旅行者から見たフィードバックも歓迎します。
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