杜のAndroid研究室

第237回

地デジの録画番組を観られるDTCP-IP対応プレイヤー「Media Link Player for DTV」

レコーダーに接続しストリーミング再生や番組持ち出しが可能

 『杜のAndroid研究室』では、スマートフォン向けOS“Android”をテーマに、窓の杜スタッフが厳選したアプリなどを紹介していく。今回はDTCP-IP対応のメディアプレイヤー「Media Link Player for DTV」に焦点を当て、その使い方と機能を紹介しよう。

地デジやBS・CS・スカパー!プレミアムサービスの録画番組をストリーミング再生

「Media Link Player for DTV」

 「Media Link Player for DTV」は、ホームネットワーク内で著作権保護されたコンテンツを転送するための規格“DTCP-IP”に対応したレコーダーにWi-Fi接続し、録画された番組を再生できるプレイヤー。地デジやBS・CS・スカパー!プレミアムサービスの録画番組をストリーミング再生できる。

 各種レコーダーの録画番組持ち出し機能にも対応し、スマートフォンやタブレットに番組を転送して外出先などで楽しむことも可能だ。また、チューナーに接続して現在放送中の番組を観ることもできる。

 DTCP-IPに対応するAndroid用のプレイヤーはそもそも数が少なく、その中でも本ソフトは筆者が試した中では、安定性、動作速度の点でとくに優れていた。番組再生に特化している分インターフェイスもシンプルでわかりやすく、900円(税込み)の有償アプリだが価格分の価値は十分にあるお勧めのアプリだ。

 なお今回は、パナソニックのレコーダー“DIGA DMR-BZT920”に接続して動作確認した。公式に接続確認済みのレコーダーは他にもソニーや東芝のレコーター、SCEの“nasne”などさまざまで、本アプリの公式サイトに一覧が掲載されている。

再生時はチャプタースキップも可能。再生画面の回転ロック機能が便利

 使い方はシンプルで、一般的なネットワークメディアプレイヤーと同様に接続するレコーダー(サーバー)を選択し、フォルダーを辿っていく形で観たい番組を選択すると再生が開始される。番組を観ている最中に、一覧に戻ったり別のアプリに切り替えるなどして視聴を中断しても、他の番組を再生する前に同じ番組を選択すれば続きから観ることが可能だ。

フォルダーを辿り、番組を選択すると再生が開始される。再生を中断した番組はタイトルがハイライト表示され、他の番組を再生せずにその番組を再選択すれば続きから再生可能だ

 再生画面は画面タップでシークバーや操作ボタンが現れるオーソドックスなもの。早送り・巻き戻しボタンはシングルタップで30秒送りと10秒戻し、ダブルタップでチャプタースキップが可能だ。ギア型のボタンではレコーダーが複数の画質で番組を配信している場合、再生画質を切り替えることができる。

 また、画面を左にスワイプすると、右側にチャプター一覧を表示してジャンプすることが可能。このほか、画面中央をロングタップすると、Android端末自体の自動画面回転がONの場合でも、これと独立して再生画面上での画面回転をロックできる。寝っ転がって番組を観たい時などに、再生画面を開いたまま手軽にロックができて便利だ。

再生画面のインターフェイスはオーソドックス。回転ロック機能が便利
左スワイプでチャプター一覧を表示。タップしたチャプターへジャンプできる

 なお、放送中の番組を観る場合も操作としてはほぼ同様で、番組の代わりにチャンネルを選択する形になる。

番組の持ち出しはバックグラウンドで一括、持ち出し番組のPCへの退避も可能

 録画番組の持ち出しを行うには、番組一覧で持ち出したい番組を右にスワイプすればよい。持ち出しへの対応状況はレコーダーによって異なるので、前述の接続確認済み機器一覧を参照してほしい。あらかじめレコーダー側で持ち出し用のデータを作成しておく必要がある場合が多いが、準備さえできていれば転送自体は簡単。複数まとめてバックグラウンドで行うことができ、すべての転送が完了すればステータスバーで通知してくれる。

 持ち出した番組は、画面右上のボタンを押すことで一覧表示することが可能。あとはレコーダー上の番組と同じように再生できる。また、この一覧で番組を右にスワイプすると、持ち出した番組を削除できる。

番組一覧上で持ち出し対応の番組を右にスワイプすると持ち出しが可能
持ち出しの指定は複数同時に行うことができ、すべての転送が完了すると通知してくれる
持ち出した番組の一覧画面。右スワイプで番組を削除できる
持ち出した番組の実ファイルが保存されているパスは、設定画面で確認可能

 なお、持ち出した番組はAndroid端末をPCへ接続してハードディスクなどにコピーすることが可能。番組は暗号化されておりPC上で再生できるわけではないが、Android端末のストレージ容量が足りない時に番組をPCへコピーして端末上からは削除し、必要になったら再び端末へ書き戻す、といった使い方ができる。持ち出しを行うと番組のダビング可能回数が減るので、持ち出しと削除を繰り返したくない場合に有効だ。

ソフトウェア情報

「Media Link Player for DTV」
【著作権者】
(株)アルファシステムズ
【対応OS】
Android 4.0以降(iOS版あり)
【ソフト種別】
ダウンロード販売 900円(税込み)
【バージョン】
2.2.2(15/04/01)

(中村 友次郎)