いまさら聞けないExcelの使い方講座

【Excel】CSVファイルは旧バージョンのテキストファイルウィザードで取り込みましょう!

従来のテキストファイルウィザードでCSVファイルを取り込みたい

 普段の業務で、CSV形式のファイルを扱う場面に立ち会ったことのある人は少なくないのではないでしょうか。前回の記事では、CSVファイルを正しくExcelに取り込む方法として、Power Query(Excel 2019やMicrosoft 365で利用可能)を使う方法を解説しました。

 このPower Queryという機能は、Excel 2019やMicrosoft 365では標準装備になっていますが、かつてはExcelとは別のプログラムだったので、以前からExcelを使っている読者にはあまり馴染みがないかもしれません。Excel 2016以前のExcelでは、テキストファイルウィザード(①)という機能を使ってCSVファイルを取り込んでいたからです。

 そのため、Excel 2019やMicrosoft 365を操作する時、「CSVファイルを取り込もうと思ったら、以前とやり方が異なっていて戸惑った」「従来のテキストファイルウィザードでないとやりづらい……」といった経験をした読者もいることでしょう。そこで、今回の記事では、従来のテキストファイルウィザードを使ってCSVファイルを取り込む方法を解説します。

【おさらい】CSVって何だっけ?

 CSVはComma Separated Valueの略で、文字どおり「カンマ(Comma)で区切られた(Separated)値(Value)」が入力されたファイルのことを指します。CSV形式のファイルは、特定のアプリケーションに限定されることなく、さまざまなソフトやアプリケーションで使える形式であるため、使用されることが多いのです。例として、Windowsに付属している「メモ帳」を使って、「会員名簿.csv」というCSV形式のファイルを開いてみると、次のように表示されます(①)。

 データのやり取りの際に使い勝手のいいCSV形式のファイルは、例えば、あるシステムからデータを引き継いで、別のアプリケーションで使いたいといった場合に使われることがあります。

【事前準備】従来のテキストファイルウィザードを使えるようにするには

 Excel 2016以前のExcelで標準的に使用されていたテキストファイルウィザードは、Excel 2019やMicrosoft 365でも使うことは可能ですが、事前に準備する必要があります。

 まず、新規ブックを開いて、[ファイル]タブ→[オプション]をクリックして、[Excelのオプション]画面を表示します。[Excelのオプション]画面が表示されたら、画面左側のメニューから[データ](①)をクリックし、画面の真ん中よりやや下あたりにある[テキストから(レガシ)](②)をクリックしてチェックマークをONにします。

 設定を終えたら、[OK](③)をクリックして画面を閉じます。

 これで準備は完了です。テキストファイルウィザードが使えるようになります。

従来のテキストファイルウィザードを使ってCSVファイルを取り込む

 例として、「会員名簿.csv」を取り込んでみましょう。まず、前項で開いたままの新規ブックの[データ](①)タブをクリックします。前回の記事で解説したPower Queryを使う場合は、リボンにある[テキストまたはCSVから]をクリックしますが、今回は、[データの取得](②)→[従来のウィザード](③)→[テキストから(レガシ)](④)をクリックします。

 [テキストファイルのインポート]ダイアログボックスが表示されるので、目的のCSVファイルが保存されている場所へ移動します。目的のファイルが見つかったらクリックして選択し(⑤)、[インポート](⑥)をクリックします。

 すると、「テキストファイルウィザード – 1/3」という画面が表示されます。[元のデータの形式]欄で[カンマやタブなどの区切り文字によってフィールドごとに区切られたデータ](⑦)がONになっていることを確認し、その下にある[先頭行をデータの見出しとして使用する](⑧)をクリックしてチェックマークをONにします。

 ここまでできたら、[次へ](⑨)をクリックします。

 [テキストファイルウィザード - 2/3]画面に移動します。今回の例で使用している「会員名簿.csv」は、項目(フィールド)同士がカンマで区切られているので、[区切り文字]欄の[カンマ](⑩)をクリックしてチェックマークをONにします。[データのプレビュー]欄で、正しくデータが区切られていることを確認し(⑪)、[次へ](⑫)をクリックします。

 [テキストファイルウィザード - 3/3]画面に移動します。ここで「会員番号」列のデータ形式を変更します。既定では、すべての列のデータ形式は「G/標準」となっています。でも今回の場合、「会員番号」列に「G/標準」が設定されていると、データを取り込んだ時にExcelが数値と判断し、元のデータ(「0001」や「0002」)の先頭にある「0」を消してしまいます。そうならないために、「会員番号」列のデータ形式を「文字列」に設定します。[データのプレビュー]欄で[文字列](⑬)が選択されていることを確認し、[列のデータ形式]欄で[文字列](⑭)を選択します。すると⑮の部分の表示が「文字列」に変わります。

 設定を終えたら、[完了](⑯)をクリックします。

 すると、今度は[データの取り込み]ダイアログボックスが表示されます。[データを返す先を選択してください。]で、[既存のワークシート](⑰)を選択し、[OK](⑱)をクリックします。

 すると、Excelのシートにデータが取り込まれます(⑲)。「会員番号」列を見てみると、先頭に「0」が付与された4桁の文字列として正しく表示されていますね(⑳)。

 なお、Power Queryを使用した時は取り込まれたデータはテーブル形式で表示されましたが、従来のテキストファイルウィザードの場合は、書式は何も設定されません。

従来のテキストファイルウィザードを使ってみる

 今回は、従来のテキストファイルウィザードを使って、CSVデータを正しくExcelに取り込む方法を解説しました。こちらの方が馴染みがあって使いやすいという人は、ぜひ試してみてください。ただし、テキストファイルウィザードはレガシ(古いシステム)となっている機能です。これから新しく覚えようとしている人は、前回の記事で解説したPower Queryを使うことをおすすめします。