いまさら聞けないExcelの使い方講座

【Excel】表のデザインが野暮ったい…… データを見やすくする基本テクニック

ひと工夫で表の印象が変わります。

「格子」は便利だけど全部同じに見える

 表にデータを入力したら「格子」の罫線を入れて完成! としていませんか? データの境界がわかりやすくなりますし、罫線のリストから手軽に設定できる定番の操作ですよね。しかし、どの表も同じに見えてしまうデメリットもあります。

表を作成して「格子」を設定しました

 以下は少しだけ体裁を調整した同じ表ですが、印象がまったく違います。難しい設定は一切なし。行の高さや列の幅、罫線などを工夫しただけです。これで「表が見やすい」と思ってもらえるなら、設定しない手はありませんよね。今回紹介するテクニックの一部でもデザインのヒントになれば幸いです。

先ほどと同じ内容の表です。行の高さや列の幅、罫線などを調整しただけですが、印象がまったく違います

設定済みの書式をクリアする

 現在設定されている「書式」をすべてクリアします。「罫線なし」「塗りつぶしなし」などと、ひとつずつ設定し直す必要はありません。設定の解除漏れもあるので、[書式のクリア]の機能を利用しましょう。

表を選択しておきます(①)。[ホーム]タブ(②)にある[クリア](③)-[書式のクリア](④)の順にクリックします。
書式がクリアされました(⑤)。行の高さと列の幅は変更されません

行の高さと列の幅を調整する

 行番号の境界線をダブルクリックすると、フォントサイズに合わせて行の高さが自動調整されます。列幅も同様に文字列の長さで自動調整できますよね。しかし、ピッタリ収まっているのが窮屈です。行の高さも列の幅も余白をとるとスッキリした印象になります。

行全体を選択して(⑥)、行番号の境界線をドラッグします(⑦)。ここでは、33ピクセルとしました
同様に列を選択して(⑧)、列番号の境界線をドラッグします(⑨)。ここでは90ピクセルとしました。A列の幅も広げておいてください

見出し行を装飾する

 見出しのフォントサイズは大きくしなくても目立たせることは可能です。ここでは[太字][中央揃え]として、セルの背景色に濃色を設定して、フォントの色を「白」にしました。セルの背景色を強く設定しておけば、見出し行の下に罫線がなくても区切りがはっきりします。

見出し行に[太字](⑩)、[中央揃え](⑪)を設定しました
見出し行を選択したまま[塗りつぶしの色]の▼(⑫)をクリックして、セルの背景色を選択します(⑬)
続けて、[フォントの色]の▼(⑭)をクリックして、フォントの色を選択します(⑮)

必要な箇所のみ罫線を引く

 罫線は必要な箇所のみ引いたほうが見やすくなります。ここでは表の横方向に点線、合計行の上に二重線の罫線を入れます。選択したセル範囲をまとまりと考えて、[セルの書式設定]ダイアログボックスのプレビューで引かれる罫線をイメージしてください。

罫線を設定したいセル範囲を選択します(⑯)。セルA3からG9が罫線を設定する対象になります。そのまま[Ctrl]+[1]キーを押します(⑰)
[セルの書式設定]ダイアログボックスが表示されました。[罫線]タブ(⑱)をクリックします。[スタイル]を選択して(⑲)、[罫線]のボタン(⑳)をクリックします。ここでは横線のみ引くので、上下中央のボタンです。罫線の色を変更するには、線の[スタイル]の変更時に[色]を指定します
セルA3からG9の下端(合計行の上)には二重線を引きます。線の[スタイル]を変更して(㉑)、[罫線]のボタン(㉒)をクリックします。[OK](㉓)をクリックします。

セル内にインデントを設定する

 セルの左右に余白を入れるためにスペースを入力してはいけません。インデントの機能を使いましょう。特に大項目、中項目、小項目と入れ子になる表を作成する場合は、インデントを挿入することで表が見やすく仕上がります。また、数値には桁区切り記号を追加しておくことをおすすめします。

セルの左側にインデントを追加するセル範囲を選択します(㉔)。[インデントを増やす](㉕)をクリックします
セルの左側にインデントが追加されました
数値の入力されたセル範囲を選択して(㉖)、[桁区切りスタイル](㉗)をクリックします。続けて[Ctrl]+[1]キーを押します(㉘)
[セルの書式設定]ダイアログボックスが表示されました。[配置]タブ(㉙)をクリックします。[横位置]で[右詰め(インデント)](㉚)を選択して、[インデント]に「1」と入力します(㉛)。[OK](㉜)をクリックします

小ワザの組み合わせで表を見やすくしよう

 以下は上記の手順で調整した表です。簡単な操作の組み合わせですが、調整前より見やすくなりましたよね。[セルの書式設定]ダイアログボックスで罫線を引く操作とインデントの設定は、いろいろな表で利用できるテクニックです。ぜひ覚えておいてください。

簡単な操作の組み合わせだけでも表は見やすくなります。