残業を減らす!Officeテクニック
「Word」の「イマーシブリーダー」を文章の精査に活用! 音声読み上げ機能が秀逸
今読んでいる文に集中するための機能が満載
2022年1月11日 06:55
業務でのドキュメント作成に「Word」を使わない人はいないでしょう。図版や表の挿入、校正機能など、十分な機能が備わっています。なので、バージョンが新しくなってもあまり変わらない印象がりますが、実はちゃんと進化しています。
今回紹介したいのは、文章の精査に重宝する「イマーシブリーダー」です。名前の通り「イマーシブ」(immersive:没入型の)な「リーダー」(Reader)です。最新版の「Office 2021」(2021年10月5日発売)に含まれる「Word 2021」のほか、Word 2016/2019、Microsoft 365で利用できます。
「Microsoft Edge」や「OneNote」などにも搭載される読字支援機能と同じ位置づけの機能で、背景色や行間、表示幅などの変更、カーソルがある行の周辺1/3/5行を強調表示する「行フォーカス」、音声読み上げが可能。文章に集中したい時に有用です。
※本稿の内容はプレビュー版である「Office LTSC Professional Plus 2021 Preview」で動作確認しています。
Wordを「リーダー」として活用
「イマーシブリーダー」は[表示]タブから利用します。[イマーシブ]グループに分類されていますが、表示形式のひとつとして捉えていいと思います。なお、縦書きの文書も「イマーシブリーダー」で表示した場合、横書きに切り替わります。
[列幅]と[ページの色]は、Kindleなどの電子書籍リーダーでお馴染みの設定です。いずれも好みですが、筆者としては、[列幅]を[非常に狭い]か[狭い]、[ページの色]を[セピア]か[反転]で使うと集中できる気がします。[テキストの間隔]は標準でON。通常の表示より文字の間隔が広い状態で表示されます。
[表示]タブの[フォーカス]ボタンをクリックすると全画面表示に切り替わり、目の前のドキュメントにフォーカスできる状態となります。画面右上の[元のサイズに戻す]をクリックすると、通常のウィンドウ表示に戻ります。
「行フォーカス」は意外といい
特定の行を強調表示する「行フォーカス」は標準でOFFの状態。指定した行数が強調されるだけですが、使ってみると意外といい。長文の場合は特にイマーシブな体験ができます。[なし][1行][3行][5行]から選択可能です。先ほどの[フォーカス]を使うより「行フォーカス」しておいて全画面表示のほうが集中できると思います。
「音声読み上げ」の仕上がりは想像以上
「音声読み上げ」の操作は、そのまま[音声読み上げ]ボタンをクリックするだけです。[音節]ボタンは音節の切れ目を表示するために使うとのことですが、日本語での検証では有効になりませんでした。
読み上げ中はツールバーが表示され、[再生]/[停止]のほか、段落を移動するための[前へ]/[次へ]のコントールできます。[設定]では、読み上げ速度と音声の種類を指定可能です。再生される音声は想像以上の仕上がりです。日本語の読みが不自然な所もありますが、「Word」でここまでできるのは驚きです。
なお、イマーシブリーダーでは縦書きの文章も横書きになります。縦書きのまま音声読み上げを利用したい場合は[校閲]タブの[音声読み上げ]ボタンを利用してください。
スマートフォンの[Word]アプリでも音声読み上げの機能を利用できます。移動中に会議の議事録を聞いたりするのも便利。また、自動音声で定型文を読み上げてアナウンス代わりにするといった使い道もありますね。