どれ使う?プログラミング教育ツール

二進法も学べて未就学児からレースゲーム気分で楽しめるコードパズル「Code Karts」

「Code Karts」のスタート画面。明るくて楽しい気持ちになる

 車のレースゲームをしている感覚で、小さな子どもたちがプログラミングの入り口の考え方に親しめるアプリ「Code Karts」を紹介します。iPad OS/iOS版Android版の両方があります。

 もとは英語版で日本語がまれにぎこちない箇所もありますが十分なレベルで日本語化されているので安心して使えます。レベル10までのステージが無料でその他は有料コンテンツですが370円と安価なので、購入してもいいでしょう。

ゴールまで車を走らせるプログラムを作ろう!

 小さな子ども向けの「ステージクリア型」のプログラミングアプリでは、キャラクターをゴールに誘導するプログラムを作るスタイルのものが一般的ですが、この「Code Karts」もそのタイプ。真っ赤なレースカーを走らせるルートを考えゴールに向かって走らせます。

 プログラムは矢印のついたブロックを並べるだけでとっても簡単です。

最初の方のステージ。車をタップするとスタートして、プログラム実行中はうまく曲がれるごとに歓声をあげて讃えてくれる
クリアすると派手に祝ってくれるのでけっこううれしい

 このタイプのアプリは1マスずつ動きを指示させるものが多いのですが、「Code Karts」は角に到達したり道が分かれたりするまでひとつの指示が有効です。他のアプリに慣れている大人のカタい頭では、一瞬「珍しいルールだな」と思いましたが、車を運転するときには、角や分岐点でハンドルを切ることを検討するわけですから、車のレースというコンセプトにはぴったりのルールであり、納得です。すぐに慣れます。

ステージが進むと現れる分岐した道。角や分岐ごとに進む方向を決める判断してプログラムブロックを並べる

 有料モードで遊んでいると車が汚れてきて、ガレージにいくと洗車ができます。色を塗り替えたり貯めたコインで車体を交換したりもできるようになっているのですが、この手の演出が適度で好感が持てます。

洗車すると汚れがすっきり! 演出として心地よくて、また洗いに来たくなる

最短距離でゴールを目指せ!

 有料モードだと、対戦モードで遊べます。これは、ゴールまでの最短距離でプログラムできるかどうかをコンピューター側が動かす車と勝負します。より効率よいコースを見い出してプログラムできるかの腕試しです。

対戦モードの画面。青い車より短いルートを選んだので赤い車のプレイヤーが勝利するところ

 対戦モードでなくとも、ステージが進むとより短い移動距離を考えたり、障害物をよけたりするシーンも出てきます。また、ワープを使ったコースが出てきたり徐々に使う頭の部分が増えてきて、最終的には繰り返しの概念まで出てきます。徐々にステップアップするようにとてもよく考えられている印象です。デザインや音の演出も明るく楽しいムードなのがGOOD。

二進法を学んじゃおう!

 このアプリには、カーレースとは別に「バイナリでカウント」というコーナーがあり、二進法について学べます。十進法に慣れてしまった頭では理解しづらい二進法をなるべく感覚的に把握できるようにいくつかのステップが用意されていて、無料版では最初のステップだけ試せます。

二進法の解説&練習の画面

 英語の子ども向けプログラミング教材は、コンピュータサイエンス教材の一環として提供されているものも多く、コンピューターが情報を処理する仕組みを知るために二進法の話もよく登場します。また、日本でも図書館などにある子ども向けのコンピューターの解説本や図鑑等ではたいてい触れている内容です。

 一方、コンピューターの仕組みに関しては、日本の小学校のプログラミング教育では残念ながら扱うことになっていません。小学校ではやりませんから、詳しい保護者の方が家庭でお子さんと楽しむ時には、コンピューターの仕組みの話をしながら一緒に二進法で遊んでみるのもおすすめです!

【Code Karts - Pre-coding in Preschool on Apple & Google Play】

 2020年度から小学校でプログラミング教育が実施されています。これに伴い家庭でも手軽にプログラミングを学習できるツールが多数登場していますが、どんなツールを使えばいいのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか? そこで本連載では家庭でのプログラミング教育にピッタリなお勧めツールを紹介していきたいと思います。