週末ゲーム

第645回

まるでカードゲームのような戦術性!異色のカーリング×SLG「Curling Wars」

あのウィンタースポーツと戦闘シミュレーションの見事な融合を楽しめる

 『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームの中から、編集部がピックアップした作品を毎週紹介していく。今回は、氷上で行われるウィンタースポーツ“カーリング”と、ゲームジャンルである“シミュレーションゲーム”を融合した異色のゲーム「Curling Wars」を紹介しよう。

さまざまな能力を持つカーリングの石を編成し、敵の石を倒せ!

 本作は、前述したように“カーリング”と“SLG”を融合した独特なシステムを持つ作品。プレイヤーは、パーティメンバーのようにカーリングのストーンを編成し、ライバルたちの持つ特徴的なカーリングのストーンに立ち向かい、全滅させれば勝利だ。……と言うと、やや突飛に感じるかもしれない。順を追って説明していこう。

ストーンを円の中に入れるという基本的なルールは元ネタと同じだ

 元ネタであるカーリングは、ストーンを氷のステージ上に滑らせ、ステージに描かれた円の中に入れるというルールのスポーツ。円の中心近くに止めるほど得点が高くなるので、ストーンを滑らせる力加減が重要になる。本作でも、その基本的なルールは同じだ。

 このゲームの面白さは、“ドラゴンナイト”、“ブラッドメイジ”、“ウォリアー”など、それぞれSLGに出てくるユニットのように特徴が分かれた数十種類のストーンが存在し、それらを組み合わせることで戦術性の高い戦いが楽しめることにある。ルールとしては、戦闘前にプレイヤーと相手があらかじめ3つのストーンを選んだ上で、交互に行動するターン制となっており、ターンごとに手持ちのストーンのいずれかを滑らせ、ステージの中心に描かれている円の中にストーンを入れていく。

 ストーンごとに体力・攻撃力・攻撃範囲・特殊能力が設定されている。また、円の中は4色のエリアに分かれており、ストーンの種類と乗せた色の組み合わせによって、さまざまな効果が発揮される。

 操作はマウスを使ったものとなり、自分のターンでは、まず滑らせたいストーンをクリックする。そうすると、どのくらいの力で滑らせるかを表すメーターが溜まり、離すことでストーンを弾くことができる。基準として、メーター上に示されている“100%”の値でマウスボタンを離すことで、画面上のマウスで示した場所に弾くことが可能。こういった基本的な説明は、作中のチュートリアルでも丁寧に教えてくれるので、まずそちらをプレイすることをおススメしたい。

ストーンにはさまざまな種類が存在する
メーターの丁度良い溜まり具合でマウスボタンを離し、ステージ上に描かれている円の中にストーンを入れよう

 乗せた色によってストーンの攻撃力と攻撃範囲が変化する。ストーンの攻撃範囲に敵ストーンがいれば、攻撃力分のダメージを与えられる。ダメージを与えて敵ストーンの体力を削りきれば撃破でき、敵ストーンすべてを撃破すれば勝利となる。詳しくは、下記の画像も見ていただきたい。

敵ストーンが円の中にいる。ここで、自分のストーンを敵ストーンの近くに弾くと……
乗せた色に応じた攻撃力と攻撃範囲が発揮される。その攻撃範囲内に敵ストーンがいれば、攻撃を行うことができる

ストーンごとの攻撃範囲を知り、特殊能力を使いこなせ!

 このゲームのポイントは、“ストーン毎に攻撃範囲が設定されている”ことだ。たとえば、強力な攻撃力を持つが攻撃範囲の狭い“スモウレスラー”が円の中心に陣取っている場合、こちらは攻撃範囲の広い遠距離型“アーチャー”のストーンを円の外縁近くに置き、遠距離攻撃を仕掛ける。こうすることで、一方的に攻撃を仕掛けることができるのだ。

 ストーンの攻撃対象としては、基本的に“自分の一番近くにいる敵ストーンを攻撃”という規則で行動するため、体力の低いストーンを守るために、高耐久の大型ストーンを囮にするような戦術も有効となってくる。相手のストーンに自分のストーンをぶつけて円の中から追い出すなどの妨害もできるので、状況に応じて行動しよう。

相手の攻撃範囲の外からダメージを与えよう
大型ストーンを敵の中心に突っ込ませて、他のストーンで遠距離攻撃することも有効

 また、ストーンはそれぞれ特殊能力を持っている。初回攻撃時のみ追加で30ダメージを与える速攻型ストーンの“タイガークロー”、敵や味方と場所を入れ替える“テレポーター”など、多様な能力が存在する。相手もさまざまなストーンで編成を行うので、相手の編成に対応したストーンを考えるのも面白い。敵のストーン編成によって、速攻で勝負をつけるか、もしくは持久戦に長けた編成で臨むかを考える面白さもあるのだ。

 筆者のプレイ体験としては、体力は低いが受けるダメージを3分の1に軽減するストーン“クレリック”と、味方のストーンに体力を分け与える“エンジェル”の組み合わせなどが印象に残った。防御力に優れるが体力の低い“クレリック”に対して体力を供給することで、ウィークポイントをカバーし、長期的な戦闘が可能となる。こういった、ストーン同士の組み合わせによる相乗効果を見つけることもまた面白い。要素ごとの組み合わせや相乗効果を考えて編成を行う楽しみは、自分でデッキを組み上げていくカードゲームの面白さに通じるものがある。

 ゲームを進めていくと、強力なボスも登場する。ボス戦の場合、基本的に相手のストーンはボスである1つのストーンのみだが、その分、強力な能力を持っている。こちらのストーンをうまく組み合わせた編成を行い、倒しにかかろう。ボスによっては、短期決戦で一気に倒すか?相手の能力値を下げるストーンを使ってじっくり戦うか?などの工夫が必要となる。

自分だけのストーンの組み合わせを見つけよう
ボスとの戦いは、相手の猛攻をいかに乗り切るかが鍵となる
CPU戦だけでなく対人戦機能も付いている

 なお、本作はオンラインでの対人戦にも対応している。こちらはゲーム開始時の画面にて“Online Battle”を選択することで設定画面が現れる。一通りゲーム内のライバルを倒し、他に遊べるプレイヤーがいる場合には遊んでみてはいかがだろうか。

 カーリング×SLGという異色の組み合わせとなる本作は、ストーンの組み合わせから、戦闘時の立ち回りを考えるところまで、さまざまな戦術を考えるのが楽しいゲームとなっている。1戦闘は10~15分ほど、ひとまずのゲームクリアまでは4、5時間ほどのボリュームなので、ぜひ遊んでみてほしい。

ソフトウェア情報

「Curling Wars」
【著作権者】
Qwertity 氏
【対応OS】
Windows(編集部にてWindows 10で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
0.94(12/01/25)