週末ゲーム

スコアアタック型シューティングゲーム「蒸気兵団」

1ステージの最高点を追求せよ! 続編の体験版にも注目

(09/10/30)

タイトル画面

 『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームのなかから、選び抜いた良作を毎週紹介していく。今回は、1ステージのハイスコアを追求するシューティングゲーム「蒸気兵団」と、その続編「蒸気活劇アドベンタム」の体験版を紹介しよう。

1ステージでいかに高得点を獲得するかがポイント

基本は1ステージのみの横スクロールシューティング基本は1ステージのみの横スクロールシューティング

 「蒸気兵団」は、19世紀末という時代設定のもと、蒸気機関による最新兵器を多数備えた“ライポーン王国”を舞台とした横スクロール型のシューティングゲーム。王国の科学者は、電気エネルギーの必要性を認識し、“電気精霊”の召喚と封じ込めにより大電力を得るという、禁断の発電方式の利用に踏み切る。しかし、消滅するまで酷使された電気精霊は怒り、ライポーンの軍隊を乗っ取って暴走を始めてしまう。そこに偶然、遭難した宇宙人の深宇宙探査艇が飛来。プレイヤーはその宇宙船を操り、王国を安住の地とするため、ライポーンの軍隊&電気精霊と戦うことになる……というのがストーリーだ。

 本作は1ステージのみで、ボスとして登場する巨大な“大精霊を閉じ込めたオリ”を倒すとゲームクリアとなる。1プレイ自体のボリュームはコンパクトだが、特定の敵を倒せば倒すほどその数が増えるなど、ハイスコアを追求できるシステムが特長。なお、敵弾に触れるとミスとなって残機が減り、残機がゼロのときにミスをするとゲームオーバーだ。

 基本的な操作は、カーソルキーで移動、[X]キーがショットで押し続けると自動連射、[D]キーが後述する“ガードマイン”の設置とシンプルで、ゲームパッドによる操作にも対応している。

攻防どちらにも役立つ“ガードマイン”を使いこなせ

地雷のような攻防一体の武器“ガードマイン”が攻略のカギを握る地雷のような攻防一体の武器“ガードマイン”が攻略のカギを握る

 本作で一番重要なのが、画面内の好きな場所に設置して固定できる“ガードマイン”だ。これは敵弾を防げるほか、自機のショットと連動して対空ショットと対地爆弾を発射し、さらに3秒後には爆発した上で強力なプラズマ弾を自機の方向に飛ばすという、数々の効果をもつ。最初は同時に2個まで設置でき、定期的に前方から飛んでくる赤い色の“パワーアイテム”を取ることで、最大10個まで同時設置が可能となる。

 そのため、自機の前方にガードマインを集中させれば、敵弾を防いでくれるので自機が被弾する可能性がグッと減る。しかし、この場合は攻撃力の高いプラズマ弾が画面の後方に向かって飛ぶことになってしまうので、ハイスコアの獲得には向いていない。得点を稼ぎたい場合は、ガードマインを自機の後方に置いて、プラズマ弾が画面前方へ飛ぶようにしよう。自機が被弾する可能性は増えるが、防御力の高い戦艦や巨大な飛行船を効率よく倒すためにはプラズマ弾が必須となるからだ。攻防のバランスをよくしたい場合は、円を描くようにガードマインを置く戦術もオススメだ。

ガードマインは3秒後にプラズマ弾として自機の方向に飛ぶガードマインは3秒後にプラズマ弾として自機の方向に飛ぶ

ガードマインは赤いアイテムを取ると最大10個まで設置可能にガードマインは赤いアイテムを取ると最大10個まで設置可能に

敵を倒すほど難易度が上がっていくシステムが面白い敵を倒すほど難易度が上がっていくシステムが面白い

 もう1つ大事なのは、青や赤、緑などに輝く“電気精霊”を倒すと、倒した数と同数が復活すること。新たに登場する電気精霊に復活した電気精霊が加わるためスコアを稼ぎやすくなる。ただし、倒すほどに数が増えるため、難易度はどんどん上がっていく。敵弾が多くて避けるのが大変と感じた場合は、わざと精霊を逃がすのもアリだ。とはいえ、このゲームの敵弾はそれほど速くない。シューティングゲームに慣れた人なら、最初からハイスコア追求型のプレイでもいいだろう。

世界観が共通の続編「蒸気活劇アドベンタム」にも注目

「蒸気活劇アドベンタム」体験版「蒸気活劇アドベンタム」体験版

自機は戦車だがジャンプが可能とアクション性が高い自機は戦車だがジャンプが可能とアクション性が高い

 「蒸気兵団」の続編にあたる「蒸気活劇アドベンタム」にも注目したい。こちらは「蒸気兵団」の事件から3年後を描いた作品。電気精霊の反乱をきっかけに王位についた新しい国王が世界征服の準備を始め、それを知ったお金持ちのお嬢様“カシア・フラバル”が独自に作り上げた蒸気鉄車に乗ってお城に殴りこみをかける、というストーリーだ。原稿執筆時点では制作中で、2ステージまでプレイできる体験版が公開されている。完成版では全6ステージになる予定だ。

 本作は、横スクロール型のアクションシューティングゲーム。自機は戦車で、地面を移動しながらジャンプで足場に登ったりと、ステージの進行はアクションゲームの色合いが濃い。しかし、攻撃の基本は戦車の砲撃なので、敵との戦いはシューティングの要素が濃くなっている。ジャンプする戦車というのも一風変わっているが、コミカルながら重厚感のある動きがうまく作り込まれている。

 面白いのは、主人公となるカシア・フラバルのほか戦車には2名が搭乗すること。このうち誰が戦車を操縦するかはいつでも切り替えることができ、操縦者によって戦車の攻撃方法が変わる。キャラクターはカシアも入れて5名おり、たとえばカシアは一直線に弾を連射する“機関砲”、降霊術師のマデレーンは5方向に弾丸を発射する“散弾砲”、メイドのミレナ・ゼーマンは威力は高いものの飛距離の短い“榴弾砲”を操るといった具合だ。ザコは散弾砲で倒し、ボスは榴弾砲で勝負など場面ごとにベストな武器を考えるのが楽しい。ただし、体力もキャラクターごとに異なっており、攻撃力が高いキャラクターは体力が少ない傾向があるため、多様は禁物だ。

 ただし、誰か1人の体力がゼロになっても、そのキャラクターが使用不能になるだけでプレイを続行でき、さらにステージクリア時には全員の体力が多少復活する。3人の体力がゼロになってしまたらゲームオーバーだ。このほか、選択したキャラクターによってステージクリア後の会話内容が変化するマルチシナリオが採用されている。

主人公のほか個性あふれる搭乗員を選べるのが特徴主人公のほか個性あふれる搭乗員を選べるのが特徴

ミレナの榴弾砲は威力が高いが弧を描いて飛ぶため使いこなすのは難しいミレナの榴弾砲は威力が高いが弧を描いて飛ぶため使いこなすのは難しい

メルの誘導砲は敵に向かって自動的に飛んでいくメルの誘導砲は敵に向かって自動的に飛んでいく

大型のボスも登場とやり応えはバツグン。完成が楽しみだ大型のボスも登場とやり応えはバツグン。完成が楽しみだ

 今回紹介した2作のうち、「蒸気兵団」は手軽に遊べてやり込み要素もあるのが大きな魅力だ。ハイスコアを極めようとしなければ難易度はそれほど高くないので、シューティングゲームが苦手な人にもオススメできる。一方の「蒸気活劇アドベンタム」は、キャラクターが多く自機や敵のアニメーションも豊かで、完成版はかなりのボリュームになりそうなのが楽しみなところ。同じ世界観ながらそれぞれに面白みがあるので、ぜひどちらも試してみてほしい。

「蒸気兵団」

【著作権者】
ASTRO PORT
【対応OS】
(編集部にてWindows XPで動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
-
【ファイルサイズ】
85.1MB

「蒸気活劇アドベンタム」

【著作権者】
ASTRO PORT
【対応OS】
Windows 2000/XP
【ソフト種別】
体験版
【バージョン】
-(09/10/13)
【ファイルサイズ】
37.1MB

(芹澤 正芳)