週末ゲーム

育成シミュレーションゲーム「シルフェイド学院物語」

育てて戦い、恋もする。超大ボリュームの育成ゲームを堪能せよ!

(11/06/24)

タイトル画面

 『週末ゲーム』では、インターネット上でたくさん公開されているゲームのなかから、選び抜いた良作を毎週紹介していく。今回は、膨大なイベントでユーザーを何十時間も魅了する育成シミュレーションゲーム「シルフェイド学院物語」を紹介しよう。

シルフェイド島の災いを阻止するため“あなた”は呼び出された

主人公はシルフェイド島の災いを防ぐため、意識の海から呼び出される主人公はシルフェイド島の災いを防ぐため、意識の海から呼び出される

基本は1週間単位でスケジュールを決める育成シミュレーション基本は1週間単位でスケジュールを決める育成シミュレーション

 「シルフェイド学院物語」は、シルフェイド島で1年後に起きる“災い”を防ぐため、意識の海から“サラ”という女性によって呼び出された“あなた”が主人公の育成シミュレーションゲーム。主人公となるプレイヤーは1週間単位で自分を鍛え、“シルフェイド学院”で起こるさまざまなイベントをこなしながら、災いを防ぐ方法を探しつつ1年を過ごしていく。

 本作の大きな魅力は、膨大な数のイベントと登場人物、プレイの仕方で展開が変わるマルチシナリオ、そして楽しい育成システムによって何度でも遊べること。さらに、ユーザーが制作したデータを追加できる機能もあり、アイテムやイベントをあとから次々と増やしていける。また、イベントのなかには戦闘が発生するものもあり、ときにはほかのキャラクターとチームを組んで戦うことも。RPG風の本格的な戦闘システムが用意されている。

 ちなみに、“シルフェイド”はシリーズ化されており、意識の海から呼び出されるというゲームの導入や一部の世界観、マルチシナリオといった要素は、本連載で前回紹介した「シルフェイド幻想譚」と共通。ただし、幻想譚はRPGだったのに対して、学院物語はシミュレーションおよびアドベンチャーの要素が強くなっている。また、学院物語はシリーズ各作品の直接の続編ではないため単体でプレイしても問題ないが、別作品と同じ名前と見た目のキャラクターが数多く登場しており、物語内の役割は異なるものの、合わせてプレイしておくとニヤリとする場面も多い。

 なお、本作は2,000円(税込み)でダウンロード販売されており、公式サイトでは体験版をダウンロード可能。体験版は本編とはシナリオが異なるが、育成システムや主な登場人物を知ることができるほか、自分のパソコンで問題なく動作するかの確認にもなる。

 ゲームは、主人公の性別を選ぶところからスタートする。男性、女性で初期のステータスが異なるほか、仲の良さの象徴といえる“絆”を結べるキャラクターも変化。そして、主人公に宿り、さまざまな能力やアドバイスを与えてくれる精霊のような存在“トーテム”も最初に選ぶ。トーテムは、戦闘に優れるがほかのキャラクターとの交流は苦手な“ファング”、戦闘も交流もバランスよくこなせる“アウル”、戦闘は苦手だが交流が得意で多くのキャラクターと仲良くなれる“ラクーン”の3種類。どのトーテムを選ぶかによって、主人公の育て方やキャラクターとの交流が大きく変化する。

 さらに、ゲームの序盤では、学院で所属する“クラス”を選ぶことになる。クラスは戦いに明け暮れる“武術運動部”、さまざまな事件の解決を行う“公安委員会”、シルフェイド島の歴史と謎を追う“地歴研究部”の3種類があり、それぞれ登場する人物をはじめ、物語の内容まで大幅に変化。また、ストーリーの最初で降り立つ場所によっても、仲良くできるキャラクターが変わるなど、ゲーム序盤だけで非常に豊富な選択肢が用意されている。初プレイでは、トーテムにファング、クラスに武術運動部がオススメ。難易度が低く、ゲームの流れやシステムを覚えるのにうってつけだ。

選ぶトーテムによって主人公の育て方やキャラクターとの交流のしやすさに違いが出る選ぶトーテムによって主人公の育て方やキャラクターとの交流のしやすさに違いが出る

所属クラスは災いの内容すら変化する大きな選択肢となっている所属クラスは災いの内容すら変化する大きな選択肢となっている

 そして、1週間ごとにスケジュールを決めて実行していくのがゲームの基本的な流れ。各曜日の行動はコマンドで指定する方式で、コマンドには主人公がもつ6種類のステータスを向上させる“筋トレ”や“運動”、“勉強”といったトレーニング系、お金を稼ぐアルバイト系、それらによって蓄積されるダメージやストレスを解消する“休む”がある。そして重要なのが、好きな場所へ移動して、キャラクターに会ったり探索したりとイベントを発生させる“自由行動”だ。ちなみに、コマンドはイベントによって増えることもある。あちこち探索してみるといいだろう。

 なお、スケジュールを決める画面で“相談”を実行すると、トーテムが今は何をするべきかアドバイスしてくれる。このほか、どのクラスに所属するかによってもスケジュールの作り方は変わってくる。たとえば武術運動部ではとにかく戦闘能力が求められるので、必然的にトレーニング系を充実させなければストーリーを進展させるのは難しい。毎週コマンドを実行していくだけと単純作業に見えて、クラスや選ぶトーテムによってスケジュールの組み方は大きく変えなければいけない。それも本ゲームの奥深さだ。

物語を進展させるには、自由行動においてどの場所で誰に会うのかが重要となる物語を進展させるには、自由行動においてどの場所で誰に会うのかが重要となる

スケジュール画面で“相談”コマンドを選べば、トーテムが的確なアドバイスをくれるスケジュール画面で“相談”コマンドを選べば、トーテムが的確なアドバイスをくれる

スキルとWILLの使い方がカギを握る戦闘システム

戦闘では、敵の攻撃をスキルを活用していかに防ぐかが勝敗のカギを握る戦闘では、敵の攻撃をスキルを活用していかに防ぐかが勝敗のカギを握る

 戦闘は試合や探索、災いを防ぐためなど、さまざまな場面で発生する。戦闘システムはコマンド選択型のターン制となっており、自分の順番が回ってくると、コマンドと、戦闘時の構えといえる“体勢”の選択となる。

 コマンドは“戦闘スキル”、体勢は“体勢スキル”をセットすることで利用できるようになる仕組み。戦闘スキルは攻撃や回避といったもの以外にも、攻撃を受けると反撃する“受身”などセットするだけで自動的に発動するもの、仲間全員の回避率を向上させる“幻霧”といった補助的なものなど実に幅広い。体勢は、コマンドの実行に必要な“スタミナ”の消費が激しくなる代わりに回避率がアップする“高速体勢”など、リスクはあるが特定のステータスをアップさせるといったものが多い。

 主人公には行動回数が設定されており、コマンドを1ターンに複数回実行できる。たとえば行動回数が2回であれば、通常の攻撃と強力なスキルによる攻撃の両方を実行できるといった具合だ。また、自由行動でとある場所に行けば、戦闘などで獲得できる“S.EXP”と引き替えに、行動回数を増やせる。S.EXPは、スキルの取得やステータスの向上にも使えるため、どの能力を伸ばしていくのかも悩みどころだ。

 さらに、シルフェイドシリーズではおなじみの“WILL”の使いどころも戦闘では重要になる。WILLは最大5回まで使用可能な意志の力で、使用すると1ターンの間、行動回数が1回増え、攻撃力や命中率の増加といった効果がある。また、一部のスキルは使用する前に行動回数を消費して“集中”する必要があるが、これが不要になるというメリットも。ただし、WILLは1回分の回復に1週間が必要(トーテムがラクーンならば2回分)で、WILLの使用で有利に進むイベントも存在するだけに、なるべくなら強敵を倒すための奥の手として確保しておきたい。

キャラクターと仲良くなって“絆”を結ぶ喜び

一度にセットできるスキルは限られている。能力や戦闘スタイルにマッチしたスキルを覚えることが大切だ一度にセットできるスキルは限られている。能力や戦闘スタイルにマッチしたスキルを覚えることが大切だ

キャラクターの好感度をアップさせるには、自由行動で積極的に会うことが大切キャラクターの好感度をアップさせるには、自由行動で積極的に会うことが大切

 ゲームを進める上で、喜びとなる要素は大きく分けて3つ。ひとつは主人公を育てて、さまざまな能力を身につける喜び。たとえば筋力を向上させると、当たりにくいが攻撃力の高い“強打”という戦闘スキルを覚えるといった具合だ。スキルは育て方によって自動で覚えるほか、お金などでも購入できる。物理攻撃を強くするのか、味方の補助を得意にするのか、身につけるスキルに悩むのも面白さだ。

 ちなみに、戦闘スキルは同時に5種類、体勢スキルは同時に3種類までしかセットできない。多くのスキルを覚えてもすべては使えないため、自分の戦闘スタイルを決めて、必要なスキルを集めることも大切だ。

 ふたつ目は、キャラクターの好感度をアップさせる喜び。自由行動で特定のキャラクターと頻繁に会ったり、チームを組んで行動する場面でチームメイトに選ぶといった行動を取ると好感度が向上。一定の数値を超えると“絆”を結べるようになる。絆を結ぶ場面では、各キャラクターに隠された想いやエピソードを知ることができ、より物語に引き込まれていくだろう。男女の組み合わせなら恋愛感情が芽生えることもあり、同姓なら友情を深められる。各キャラクターにはどんな物語が隠されているのか……それを知るのも、繰り返しプレイの楽しみだ。

 最後は災いを防ぐ喜びだ。本作はクラスやトーテムなどの選択でストーリーが大きく変化するほか、エンディングも複数用意されている。ノーマルエンドやグッドエンドなどがあり、クリア後には戦闘の評価やキャラクターとの好感度などによる評価付けもしてくれる。これも何度もプレイする動機になる要素だ。

 本作は、とにかく登場人物が多く、イベントも豊富でシステムも充実と大ボリュームだ。それでいながら、トーテムのアドバイスや出会うキャラクターからの情報によって、すんなりとその世界の中に入っていける。作者が制作に3年もかけたという情熱が詰まりに詰まった印象だ。しかも、前述の通り本作のファンが制作したイベントやアイテムといったユーザーデータを追加していけるシステムも搭載。すでに90を超えるデータが公開されており、さらなるボリュームアップも可能となっている。まさに何十時間でも遊べる1本で、2,000円でも安いと感じること請け合いである。

【著作権者】
SmokingWOLF 氏
【対応OS】
Windows 2000/XP/Vista/7
【ソフト種別】
ダウンロード販売 2,000円(税込み)
【バージョン】
1.49(11/06/22)

(芹澤 正芳)